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横子さんの憂鬱�� ページ45
倉子ちゃんと安田さん
「お待たせいたしました。」
安田さんが私を家まで送るため、支度をして
私の前に現れた。
か、可愛い。
白いパーカーは、違反よ。
あー、これなら私とカップルに見えるのに。
「じゃあ行ってくるね。」
「気をつけてな。」
あー、はいはい。
もうどこまでいっても、これなんだから。
「じゃあ、お邪魔しました。」
「倉子さん、お気をつけて。」
外に出ると、夜風がつめたかった。
「寒くないですか？」
さりげない優しさが心に染みる。
どうあがいても私の手の中には入らないと
わかっているけども、
たまにはこんな時間もあっても良いよね。
いわゆる、エネルギー充電よ。(笑)
「横子さん、良かったですね。
たいしたこと、無くて。」
「もう、どうしようかと思っちゃった。」
「ほんとですよね。」
「でも、倒れたのがこの店で良かったわ。」
「え？」
「その辺で倒れてたら、野垂れ死んじゃうとこだったから。(笑)」
「そ、そうですよね。」
「それに、横子さんのためにも今日は本当に良かったわ。」
「ずいぶん楽しそうに帰っていかれたんで、私も安心しました。」
「私がねこの店に連れてきたのはね、」
「は、はい。」
「横子さんにもっと楽に自分らしく生きて欲しかったの。
いつも何かに気遣いして、心配して疲れきっていて。
これじゃ何も楽しめないじゃない。
私はこの店に出会って、自分が楽しむというか自分を大切にできるようになったわ。
居場所を見つけた感じ。」
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作者名：niko | 作成日時：2019年12月27日 22時
