横子さんの憂鬱�� ページ28
倉子side
「こんばんは〜。」
「いらっしゃいませ。
こんばんは、倉子さん。
今日は、早いんですね。」
「今日はね、知り合いと待ち合わせしてるのよ。」
「ここで、ですか？」
「そうなの。
バイト先の先輩でね、
ここの話をしたら、ぜひ行きたいって言うものだから。」
「ありがとうございます。」
「やっぱりお客さんが増えると、嬉しいものなの？」
「嬉しいですよ。
新しい出会いって、嬉しいじゃないですか。」
「安田さんらしいわ。」
「私は一応経営者ですから、」
「くまさんらしいわ。(笑)」
「おおくらです。
経営して行かなきゃいけないですから。」
「そうよね。」
「で、お連れの方は今から来られるんですか？」
「そうなのよ。」
チリチリ〜ン。
「あ、来たかしら？」
振り返ると入口に、横子さんが立っていた。
「横子さ〜ん。」
「あ、倉子ちゃん。」
「いらっしゃいませ。」
「この人達がこの店の人よ。
横子さん、ここにどうぞ。」
肩まで伸びたストレートヘアーの、色白な女性だった。
「初めまして、横子です。」
「この店のオーナーの、」
「くまさんよ。(笑)」
「おおくらです。」
「と、共同経営の、」
「安田です。
よろしくお願い致します。」
「倉子ちゃんはいつからこの店に？」
「半年ぐらいかなぁ。」
「そのぐらいですよね。」
「知り合いから、イケメンがいるから行ってきたらって言われて。」
私がそう言うと、みんな一斉にくまさんを見た。
「おれ、じゃないですよね。(笑)」
安田さんのこの言葉に店中が笑いに包まれた。
「楽しそうなお店ね。」
「横子さん、気にいってもらって良かった。
ここは、そういうお店でね。
気兼ねしなくても良いの。」
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作者名：niko | 作成日時：2019年12月27日 22時
