短編集 1 (ページ19)

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久しぶりのデート2 ページ19

緑side

ホームに着くともう新幹線は入ってきてい

た。

マネージャーに促されて席に座る。

「たつ、おまえこっち。」

やすの隣にいた信ちゃんが俺にそういうと

俺が座るはずだった席にどっかり座った。

信ちゃん、ありがとう。

久しぶりに二人きり。

積もる話もあるし、まずは何から話しよう。

ちょっとドキドキした気分だったのに、

新横浜に着く前にやすは寝てしまっていた。

俺は来ていたコートを脱いでやすに掛けて

あげた。

「風邪ひいたら、あかんからね。」

俺はコートの下に手を入れてやすの手を握っ

た。

寝てる間にパワー充電してあげるからね。

「大倉さん、安田さん、起きてください。

大阪、着きますよ。」

結局俺たちはぐっすり眠ってしまっていた。

「たっちょん、俺ね夢みてたん。」

「え？どんな夢？」

「二人してな、手を繋いでデートしてる

夢。」

「ほんまに？」

「うん、ほんま。だってな、ほら。」

コートを外すと俺はまだやすの手を握ったま

まだった。

「ありがとう。ずっと握ってくれてたんやね

嬉しいよ。」

「パワーを充電してあげようと思って。」

俺の久しぶりのデートは夢のなかだったけれ

ど、舞台が終わったらちゃんと行こうね。

でも、夢の中で俺たちはどこに行ってたん

やろか？

帰りの新幹線で聞いてみるか。(笑)

～fin～❤