短編集 1 (ページ18)

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久しぶりのデート1 ページ18

緑side
今日はジャニ勉の収録日。

大阪のテレビ局に向かうため、いつも東京駅

に集合する。

「お、たつ、今日はどうした？

やけに早いやんけ。(笑)」

待ち合わせ場所にいた俺に信ちゃんが声をか

けた。

「そりゃあ信ちゃん、あれだよ。」

「なんや、丸。あれって、なんや？」

「ほら、あれ。」

丸が指さした先には、ニコニコ笑いながら歩

いてくるやすの姿が。

「あ～そういうことか。」

「彼女、登場やな。(笑)」

それを見ていた横が声をかける。

「たつ、顔真っ赤やで。(笑)」

「もう信ちゃん、からかわんといて。泣」

「じゃあ俺たち、先いくで。」

「おふたりさん、ごゆっくり。」

やすは今、舞台の仕事で忙しい。

主演だから、いわゆる座長というやつだ。

自分の演技をしながら座員たちも、まとめな

くてはいけない。

おまけに生バンドだから、やることたくさん

ある。

「やす、おはよう。大丈夫？」

「たっちょん、おはよう。

うん、大丈夫やで。」

俺たちは実は恋人同士。

メンバーにも公認されている。

いつもなら、どちらかの家で一緒に生活して

るのだけれど、やすの舞台があるときは話が

別。今は別々に暮らしている。

そう、俺はめっちゃ我慢しているのだ。

グループの仕事の時にしか、会えないのだ。

だから、大阪に着くまでが、久々のデートと

いうわけだ。

いくら寝坊助の俺でも、早く起きてまうって

いうわけだ。

手を繋ぎたい気持ちをぐっとこらえ、俺たち

はホームへと急いだ。