中秋の名月〜こんな夜には恋しい・・・。�� ページ48
おーくらside
仕事終わりの車の中、
月を見ながら何でやすにあんなこと言うても
うたんやろかと考えていた。
ムードぶち壊しやな、俺。(笑)
いくらお腹が空いてたとはいえ、お月様が
美味しそうやなんて。
「おーくらにとって月はどんな事を想像する
の？」
やすにそう聞かれ、
「そだなぁ・・・。」と悩んでいると、
「じゃあ帰ってくるまでの宿題ね。」
と返された。
げっ、まじか。(焦)
最近、レコーディングが続いていて、俺の頭
はパンク寸前だというのに。
考えながら、
ぼぉっと外を眺めていると、
「あ、あった〜。」
「おーくらさん、どうしたんですか？」
素っ頓狂な声を出したために、運転手のマネ
ージャーに本気で心配されてもうた。
「ごめん、ごめん。
大丈夫やで。
それよりあの店に寄ってくれるかな？」
「了解しました。」
買い物も終え、俺は買った物を持って車を
降りた。
「喜んでくれるかな？」
ちょっとドキ ドキしながエレベーターに乗り
込んだ。
玄関でピンポンを押そうと思ったんだけど、
自分の家でピンポンはおかしいかな、と思い
鍵を開けて中に入った。
「やす〜？」
あれ、どこにいるんやろ？
部屋を見渡すと、ベランダで月を眺めている
うさぎさんを見つけた。
あかん、早く捕まえないと月に帰ってまうや
ん。
俺は焦って後ろからやすを羽交い締めした。
「ん？おーくら？
おかえり〜。
そんな焦ってどないしたん？」
「だってうさぎさん、月に帰ってまうと思っ
て。」
「あほやな、おーくらは。(笑)」
「おまえなぁ・・・笑うなや。」
「ごめん、ごめん。
うさぎの格好はしてるけど、俺はずっと側
におるで、おーくらのそばに。」
そう言ってやすは、俺の唇に熱いものをくれ
た。
「ありがとう。」
「ん？それだけ？」
「愛してるよ、
俺の大切なうさぎちゃん。(笑)」
「んふ、ありがとう。
で、お月様から何を想像したの？」
「あ、そうそう。
忘れてた。」
俺は玄関に置いてあった袋をやすに見せた。
「なぁに？これ。」
「俺のお月様といえばこれ。
月見バーガーでーす。」
「そうきたんだ〜。
おーくららしいね。
月より団子だね。」
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作者名：niko | 作成日時：2021年3月15日 19時
