おかえり。�� ページ38
やすside
無事、舞台の幕がおりた。
俺はほっとしたのと安心したので、
楽屋に戻るなり、へたりこんでしまった。
よろよろと立ち上がり、机の上に置いてあっ
たスマホを取った。
ちゃんと報告しなくっちゃ。
無事やりとげたことを自分の口で報告しなく
っちゃ。
俺の事をめっちゃ大切にしてくれる俺の王子
様、おーくら。
こんなに離れ離れになったのは、久しぶりの
ことで。
おーくらのぬいをずっと楽屋に置いてはいた
んだけど。
早く生のおーくらに会いたい。
とりあえず、電話しなくっちゃ。
震える手でボタンを押す。
プルルル・・・。
あれ？出ない。
ん？出ない？
どこに行ったの？
俺の王子様〜。
愛しの姫がお呼びですよ。
もし、も〜し。
何でいないんだよぉ。(泣)
何回コールしても出ないスマホを仕方がない
から切った。
気がついたら、かけ直ししてくれるよね。
とりあえず、荷物整理しよ。
早く帰れるように。
楽屋を綺麗に片付け、荷物をまとめたところ
で俺のスマホが鳴った。
「もし、も〜し。」
「ごめん、やす。
電話くれた？」
「うん、忙しかった？
こっちこそごめんね。
そんな時に電話しちゃって。」
「うん、大丈夫やで。
それで、どした？」
「あのね、舞台が無事終わったからまず
報告したかったの。」
「俺に？」
「うん、いつもおーくらは俺の事めっちゃ
心配してくれてるやん。
だから真っ先に安心してもらいたかったん
だ。」
「やす〜。(愛)」
「俺めっちゃ頑張ったで。
その経験値を持って今から帰るからから
ね。」
「え？今から？」
「そやで。
夜には着くから、よろしくね。」
「ま、まじ〜？」
「まじやで。
愛しの姫は、かぼちゃの馬車じゃなく新幹線
に乗って王子様に会いに行きまーす。」
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作者名：niko | 作成日時：2021年3月15日 19時
