おーくらの夜は・・・長い。(笑)�� ページ35
おーくらside
電話でできない事って、何ねん。
急に不安になる。
俺、何かした？
頭の中を悪い予感がぐるぐるする。
「じゃあ目をつぶって？」
「へ？」
「ほら、早く〜。」
「う、うん。
こう？」
俺が目を閉じると、
思いっきりチューされてもうた。
今、やすは舞台でゴッホになってるから、
お口の上に髭がはえている。
だから、つんつんあたるんよね。
でも、
めっちゃ気持ち良い。
あ〜体が溶けていくみたいだ。
「ごめん、髭があたるやろ？」
「ゴッホさんにチューされてるみたいや。」
「ハ、ハ、ハ。(笑)」
「あのさ、さっき言ってた電話で伝えられな
い事って、これのこと？」
「そやで。
だってね、電話でキスはできへんで。」
「そりゃあ、そうだけど。」
「ダメ？だった？」
「そんなことあるかい。
嬉しかったよ。
疲れてるのにわざわざ届けに来てくれて。
そして会いに来てくれて。
おまけにチューまでもらっちゃった。」
「この三ヶ月、ほんまに頑張ったんやも
ん、何かプレゼントしたくなっちゃって。
俺なりにいろいろ考えたんやで。
だけど、これがいいかなって思って。」
「やす、正解だな。
やっぱり俺の事わかってくれてるんやね。
寝ないで待ってた甲斐があった。」
「やっぱり・・・眠い？」
「やすの顔見たら、目が覚めた。(笑)」
「それは困った。」
「え？なんで？」
「俺、帰らなきゃいけないし。
ずっとそばにおられへんし。」
「やすは心配性だなぁ。
大丈夫やで。
やすからもらったプレゼントがあるから、そ
れを楽しみに寝れるよ。」
「ほんまに？」
「うん、だからやすも早く帰って寝て。
まだまだ舞台は続くんだから。」
「おーくら、ありがとう。
じゃあ、帰るね。」
「帰る前に一つだけ、お願いがあるんやけ
ど・・・。」
「なぁに？」
「もう一回抱きしめて、キスして欲しいん
やけど。」
「ええよ、
それで寝れるんなら。」
そう言うとやすは俺を抱きしめてくれた。
「ねぇ、おーくら、
太ったでしょ。」
「げっ、バレた？
今度抱きしめられるまでに、ダイエットして
おきます。(笑)」
「楽しみにしてるね。」
そう言うとやすは背伸びして俺にチューをし
て、帰っていった。
嬉しいのと帰ってしまって寂しいのとが混ざ
りあって、これから俺は寝れるんだろうか？
あー、俺の夜は・・・長い、のかな？
とりあえず、一杯飲むか、
やすとのチューをアテにして。(笑)
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作者名：niko | 作成日時：2021年3月15日 19時
