七夕のお願い。�� ページ30
おーくらside
俺は明日から始まる劇場を出て、ホテルに帰
るため一人夜道を歩いていた。
空を見上げると、星が綺麗に輝いていた。
この星空をやすも見てるのかなぁ。
朝会ったばっかりなのに、もう会いたい。
やすに会いたい。
声を聞きたい。
電話しちゃ、ダメかな。
一日も、もたないのって笑われるかな。
でも、声だけでも聞きたい。
俺のパワーの源だからな。
そんな時、俺のスマホが鳴った。
LINEだよん〜。
見るとやすからだった。
急いでLINEを開けると、
「おーくら、お疲れ様。」
「無事に着いたんだね。
良かった。」
「明日から最終日まで無事に完走できるよう
に祈ってるね。」
「今日は七夕様だね。
俺はおーくらの事を思いながら星空を見てい
るよ。」
「七夕様だからちゃんと言うね。」
「俺と出会ってくれてありがとう。」
「そしてこれからもよろしくね。」
俺は我慢できず、やすにこう返信した。
「なぁ、電話していい？」
するとすぐに返信が来た。
「もちろん、ええよ。」
やったー。
俺は震える手をおさえてLINE電話のボタンを
タップした。
「もしもし、」
「やす〜。
忙しくない？大丈夫？」
「うん、大丈夫やで。
おーくらこそ、大丈夫なの？」
「うん、今ホテルにね、帰るところ。
やすは？」
「俺はお風呂に入った後、星空みながら呑ん
でる。」
「じゃあ、一緒だね。
俺も缶ビール呑みながら歩いてた。(笑)」
「転ばないでね。」
「もう骨折はこりごりだからな。」
「お互いにね。(笑)」
「そだな。」
俺たちはこんなたわいも無い話をしばらくし
ていた。
こんな時間が俺を幸せにしてくれるのかもし
れないな。
遠くにいても近くに感じる。
やすと話してると、めちゃくちゃ安心する。
「なぁ、お願いがあるんやけど。」
「ん？なぁに？」
「また電話していい？」
「なんだ、そんなん大丈夫に決まってるや
ろ。
俺かて嬉しいし。」
「やす〜。(愛)」
七夕の願い？
もちろんそれは、
ずっとやすのそばにいられます様に。
ずっと二人で笑っていられますように。
に決まってるやろ。(笑)
〜fin〜
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作者名：niko | 作成日時：2021年3月15日 19時
