倉とやすの物語�� ページ14
おーくらside
やすが俺の胸の中にいるのが信じられない。
これは実は夢で、目が覚めたらいつもの現実
に戻ってたら・・・。
そう思うと悲しいけれど、
夢なら覚まさないと。
俺は思いきって頬っぺたをつねった。
「痛い！」
「え？おーくらどうしたの？」
「ううん、何でもないよ。」
「でも痛いって言うてたで。」
「そうなんだけど、ね。」
「ほら、はっきり言わないと。
俺、心配してまうで。」
「そりゃあかん。
実はな、今のこの状況は夢で
俺が目を覚ましたら俺はひとりだった。
って思っちゃって。(笑)
だから夢ではないことを証明したくて、
頬っぺたをつねってみたんだ。」
「なんだ、それで痛かったの？」
「うん。」
「夢なんかじゃないよ。
俺はここにおるで。」
「ほんまや〜。」
にっこり笑顔の王女様。
俺はこの笑顔をずっと守り続けていく、
ことに決めたんだ。
もう絶対に離さないし、
どんな事があっても2人で乗り越えていく。
泣きたくなる時もあるかもしれない。
けど、その時は二人で泣こう。
これからは、いつも一緒だよ。
「なぁ、何考えてるん？」
「内緒。(笑)」
「あー、おーくらの意地悪(笑)」
「はぁ〜い、意地悪でーす。」
「いいもん。
俺先にお風呂入ってやるもん。」
「あ、ズルい〜。
そんな事言うと、一緒に入ってやるぞ。」
「お、出来るならやってもらおうかな。(笑)」
「言うたな。
絶対一緒に入ってやる！」
「じゃあ家まで競走する？
おーくらが勝ったら一緒に入ってあげる。」
「よおーし、負けへんで。」
「もし俺が勝ったら？」
「じゃあ、背中洗ってあげる。」
「それって一緒に入る事やん。(笑)」
「へへっ、バレたか。(笑)」
「じゃあ用意ドンでスタートしよ。
行くよ〜。
よーいドン！」
二人して夜の街を走り始めた。
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作者名：niko | 作成日時：2021年3月15日 19時
