宴の始まり〜。 ページ4
斗真side
テーブルにお皿とお箸をならべて、
これでよし、っと。
時計を見ると約束の時間まで後10分。
今日は予約のお客様が8人もいる。
こんな予約が入ったのは、開店して以来
初めてのことだった。
たまたま、プラっと店に来てくれた村上さん
と倉子さんがお友達を連れて来てくれるの
だ。
なんてありがたいんだろう。
また今度ちゃんとお礼しないとな。
それより今日失礼が無いようにきっちり仕事
しておもてなしして、おふたりに恥をかかせ
ないようにしなくっちゃ。
よし、やったるで！
自分に気合いを入れた。
「こんにちは。」
「いらっしゃいませ。
倉子さん、お待ちしておりました。」
「お邪魔致します。
今日はよろしくお願いいたします。
ってなんか固くなっちゃったわね。」
「ほんとですね。(笑)」
「みんな連れてきたわ。
えーと、どうやって座ったらいいかしら。」
「やっぱり女性が真ん中よね。」
「あら丸子、あんたいつの間に？」
「さっきからいたわよ。」
「そなの？(笑)」
「倉子ったら、もう〜。」
「じゃあ、くまさんと安田さんが奥でいい
かしら？」
「はい、大丈夫ですよ。」
倉子さんに呼ばれたのは、ちょっとイケメン
な人とちょっと小柄な優しそうな人やった。
この小さい人がくまさんなのかなぁ。
俺の予想を裏切り、紹介されたくまさんは
イケメンさんの方だった。
「くまさん？」
「おおくらです。
店の名前がbig bearと言いまして。」
「私がくまさんって呼んでるの。
あ、この人達、barをやってるの。」
「倉子、とりあえず座らない？」
「そうだよね。
えーと、安田さんの隣に安子ちゃん、丸子、
横子さん、丸山さん、社長でどう？」
「倉子、あんたは？」
「忘れた。
安子ちゃんの隣にいれて。」
「了解！」
やっとのことでみんな落ちついた。
この人たち、なんか面白そうだな。
「今日はようこそいらっしゃいました。
まずはお飲み物、何にいたしましょう。」
「とりあえず、みんなで乾杯しない？」
「倉子、いいわね。」
「みんな、例のもので良い？」
「はぁ〜い。」
「では、とりあえずおビールください。(笑)」
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作者名：niko | 作成日時：2021年9月6日 13時
