類は友を呼ぶ。 ページ2
倉子side
「迷子からはじまるストーリーもあるという
ことよ。」
「迷子から始まる？」
「そうよ。
安子ちゃんが迷子になってなかったら、
こうして二人で会ってなかったわけだし。」
「確かに。」
「それでね、
今からね、安子ちゃんを連れて行きたいお
店があるの。」
「お好み焼き屋さんじゃなくて？」
「うん、そうなの。
待ち合わせまで時間がまだあるから、一緒
に行ってみたいと思って。
雑貨屋さんなんだけど、オーナーが自分の足
で集めた直輸入物だから、珍しい物が揃って
いるのよ。」
「わ、楽しそう。」
「でしょ。
私もコーヒーカップ欲しいんだけど、自分
じゃなかなか選べなくって。
安子ちゃんが見てくれたら、嬉しいわ。」
「私でいいの？」
「たまには自分が選ばないような物もいい
かなって。
あ、あそこのお店よ。
それで二軒隣がお好み焼き屋さん。」
「すぐ隣なのね。」
「そうなの。
だからギリギリまで見てられるわ。(笑)」
「ほんとよね。」
店に入ろうとすると、先客が店の中にいた。
「げっ。(笑)」
「どうしたの？倉子ちゃん。」
「あれよ。」
何とBARのおふたりさんが店の中にいた。
「くまさんと安田さんよ。」
「わ、ほんとだ。」
「あいかわらずのイチャイチャぶりだわ。
なんとかならないのかしら。」
「なんか羨ましいな。」
「そうなの？」
「お互い居心地が良さそう。」
「確かにね。」
「倉子さん、安子さん、こんにちは。」
安田さんが私たちを見つけて声をかけてくれ
た。
「お二人、一緒だったんですね。」
「私が迷子になってしまって倉子ちゃんに
迎えにきてもらったんです。」
「そうなんですね。」
「くまさん、なんか笑ってない？」
「いえ、笑ってません。(笑)」
という背中が笑ってる気がするんだけど。
「私また迷子になっちゃった。」
「大丈夫ですよ。
東京はごちゃごちゃしていて難しいから。」
すかさず、安田さんのフォローが入った。
「あー、良かったわ。」
「あら、皆さまお揃いで。」
「こんにちは。」
「あ、丸山さんと横子さんまで。」
「結局みんな早くに来てしまってここで時
間潰してるわけね。(笑)」
「どうせならみんなでお揃いのカップ買わ
ない？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：niko | 作成日時：2021年9月6日 13時
