チョコレートに愛を込めて�� ページ43
緑side
仕事が終わった途端、俺は猛烈に急いで着替
えて、マネージャーの車に乗った。
「何かあるんですか？」
「え？そこ聞く？」
「誰か部屋で待ってるとか？(笑)」
こいつ、わかって言ってるんかい。
「そんなん、あるわけないやん。」
とか言ったけど、ほんまは
俺の愛しい姫が帰りを待ってるんよね。
それも、
ご飯を何か作ってくれてるらしい。
「なるべく早く帰ってきてね。」
なんて言われちゃった。
うふふ。
バレンタインデーに愛しの姫とふたりだけ。
顔のニヤケが止まらない。
あほだな、俺。
「明日朝から収録ありますから、遅れない
でくださいね。」
「はいはい。
じゃ、お疲れ〜。」
俺は車を降り、車が見えなくなった時点で
猛ダッシュ。
エレベーターのボタンをバンバン押すも、
こんな時に限って時間がかかる。
「も〜。」
そういえば、今年は丑年やったな。
そんなん言ってる場合とちゃう。(笑)
やっとの思いでたどり着き、玄関のチャイム
を押した。
「はぁ〜い。」
「あ、俺。」
「今、開けるね。」
ドアが開いたら、
めっちゃ美味しそうな匂いと、
ニコニコ顔のやすが立っていた。
「おかえり〜。
今日もお疲れ様。」
「遅くなってごめんね。」
部屋の中に入ると、
テーブルの上には、
色とりどりのサラダとチョコレートケーキ。
そしてお皿の上に、エイト型をしたご飯。
この上に何かのるのかなぁ。
「あ、これ？
この上にこれがのるんだよ。」
そう言ってやすが運んできたお鍋には
クリームシチューが入っていた。
「シチューやん。」
「そやで。
俺が作ったから味はわからへんけど。」
「美味しいに決まってるやん。
やすの愛情がたっぷり入ってるんやから。」
俺がそう言うと、
やすは頬を赤くして、
「ありがとう。」と囁いた。
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作者名：niko | 作成日時：2020年12月21日 21時
