焼き餅はお好きですか？�� ページ19
やすside
「なぁ、そろそろ来るで。」
「ほいよっ。」
ここはいつものおーくらの家。
国営放送の歌番組もカウントダウンも無事
終わり、今から打ち上げも兼ねてメンバーで
宴会があるのだ。
俺とおーくらは支度があるからって先に帰ら
してもらい、後のメンバーはお酒を調達して
からここにやって来ることになっている。
「もうすぐ出来るからね。
やす、こっちの出来てる物から運んでくれ
る？」
「はーい。」
俺はおーくらの所へ行き、料理をテーブルに
運んだ。
こうしてると、なんか俺、おーくらの
奥さんになったみたい。
何か嬉しいな。
それに、
こんな穏やかな時間から新年を始められる
なんて。
ありがとう神様。
ありがとう、みんな。
ありがとう、俺をささえてくれた人達。
ありがとう。
「何か言った？」
「ううん、何も言うてへんよ。」
「それにしてもさ、これだけで足りる気が
せえへんけどなぁ。(笑)
きっと食べ尽くされるで。」
「そうかなぁ。」
「だってな、収録終わったときになんて言っ
てた？」
「腹減ったな。」
「だろ？
もう少し何か作っておいたほうがいいね。」
「俺も何か手伝うよ。」
「じゃ一緒に作ろうか。」
「うん。」
俺たちは2人で台所に立ちながら、今日あっ
た事とかいろんな話をした。
楽しかった事、
ちょっとムッとした事。
勉強になった事。
「今年の目標はみんなで集まった時に発表
すれば良いね。」
「そうしよう。」
「これからはどんな事もみんなで話しあっ
ていきたいよね。」
「みんなが気兼ねなく話出来るってのは、
必要なことだからね。」
「俺たちもね。」
「俺は何も隠し事はしてないからね。」
「うん、わかってるよ。
俺もおーくらに隠し事はしてないよ。
これがそのままの俺。」
「知ってるよ。(笑)
俺はそのままのやすが大好きなんやから。」
「ありがとう。」
俺はどんな事もすべて包み込んで、
大丈夫やで、って豪快に笑ってくれる
おーくら、おまえがいてくれるだけで、
頑張って生きていけるんやで。
これからも、一緒にいような。
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作者名：niko | 作成日時：2020年12月21日 21時
