ふたりきりのクリスマス�� ページ11
ふたりきりのクリスマス
くらやすside
やったー、
とは思ったものの、
結局、我が姫は今、目の前でニコニコ顔でチ
キンを食べている。
「おーくら、食べないの？」
「食べてるで。(笑)」
「呑んでるほうが、多いように見えるけど
なぁ〜。」
「そう？」
俺はおまえの笑顔を見てるだけで、おなか
いっぱいなんです、
とも言えないし。(笑)
なぁ、やす。
いろんなことをよく乗り越えてきたね。
今こうして笑っていられることが、
奇跡みたいに思ってたけど、
その奇跡を、自分の力で引き寄せたんやね。
もっともっと笑いジワが増えてくように
ふたりで笑いあっていこうな。
「なぁ、おーくら。
何笑ってんねん。」
「おまえさ、口にチキンついてるで。(笑)」
「げっ、嘘〜。」
「ほら、取ってやるから。」
と嘘をつき、取るふりして、不意打ちKiss。
チキンとワインの味がほのかにした。
「もう〜。」
「姫、お嫌ですか？(笑)」
「ん〜なこと、ないけど。
もう、おーくらのいじわる！」
なんて言うものだから、
二人して笑ってしまった。
きっとこんな穏やかな時間を、サンタさんが
プレゼントしてくれたのかもしれない。
「今日は泊まってっても、いいだろ？」
「うん。」
ちょっと頬を赤くしてやすが頷いた。
「幸せって、こんな近くにあったんやね。」
「そうだね、
それに気がつくか、気がつかないか。」
「気が付かせてくれたっていうのも、ある
よね。」
そうか、俺がもしやすと出会っていなかった
ら、俺がもし、おーくらと出会っていなかっ
たら・・・。
クリスマスの夜は、
自分の思いを届ける日。
いつもは口に出来ない事も、
サンタさんがプレゼントを届けるように、
俺も大切な人に、届けなきゃ。
「おーくら、これからも俺の王子様でおっ
てくれる？」
「もちろん。
やすも俺のお姫様でいてくれる？」
「もちろんだよ。」
「なぁ、Kissしていい？」
俺がそう言うと、やすはメガネをはずし、
そっと目を閉じた。
窓の外はいつのまにか白い粉雪が舞い始めて
いた。
来年のクリスマスもふたりでいようね。
MERRY Xmas！
みなさんの心が、
優しさで満たされますように。
〜fin〜
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作者名：niko | 作成日時：2020年12月21日 21時
