授業中、何しよう。

月曜６限 ページ7

さて、このページでは調理実習で何が起きたかを話したいと思う。

私はパウンドケーキの生地を作る係だったので、砂糖、ふるった小麦粉、卵黄を木べらで丹念に混ぜ合わせていた。

ようく混ざったらそこにレーズンが入り、最後に泡立てた卵白を流し込んでさっくりと混ぜる。

至極単純な作業なのだが、卵白を泡立てる係の子が電動泡立て機を怖がって最小の出力でとろとろに泡立てていたものだから、一旦生地を他の子に任せて自分でつの立てたのである。

使えないなと思うと全部自分でやってしまうのが私の性であり短所だ。

この性格のせいで多くの雑務を押し付けられる。

そのおかげで効率を高めることはできたのだが。

また話がそれてしまったが、そうこうしているうちにうまい具合に生地がなめらかになった。

そうしてできた生地を型に流し込んで、オーブンで焼く。

これで役目終了、洗い物係に転職しようとしたところであった。

プリンの手伝いを頼まれてしまったのである。

ところがそのプリン担当がとんでもなく使えない子だった。

いつしか手伝いのつもりが本職のようになってしまったのである。

蒸し器に入れたプリンが綺麗に固まるように、突っ込んだ温度計が９０度を超えないように見張って…

おかげですっかり汗だくになってしまった。

しかし５つあるプリンのうち２つがどうしても固まらない。

先生を呼んで見てもらうと、どうやら卵白が残ってしまっているらしい。

まったく、とんだ迷惑である。

これで腹を下したら私のせいみたいではないか。

明らかにあの使えないプリン係のせいである。

しかし今更グチグチと文句を垂れてもどうしようもない。

よってより固まっていない方は自分で食べることにした。

焼きあがったパウンドケーキは大変美味であった。

決して自慢ではない。

何のことはなく、プリンがまず過ぎたのである。

先にプリンを食べたのは正解であった。

正直あのほとんど液体をプリンと称するのはプリンに対しての冒涜であるとさえ感じる。

片付けが面倒で、ゆっくり食べていたら大分手を抜くことができた。

ここまで働いたのだから許されるであろう。

それよりも今晩の私の胃腸が心配である。

懸念が現実にならぬよう、胃薬を後で飲むことにした。

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