アーヤは天才サッカー『少年』！？ (ページ8)

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彩サイド

ハルハルに連れられてきた場所にはメイクセットやウィッグ、いろんな衣装が置いてあった。

遥「ここは演劇部のものだよ。っていってももう使わないやつとか使わなかったものだけど」

ハルハルは私を椅子に座らせるといろいろ持ってきた。

遥「アーヤってこれまでに男装したことはあるの？」

彩「男装っていうか…男の子としてサッカーをやったことはあるよ。」

遥「その時は髪が短かったとか？」

彩「その時は今と同じくらいだった。影山さんにウィッグとかを用意されて着替え以外はやってもらってたかな」

遥「なるほどね！その時の髪色に合わせたほうがいいかも！！」

確かその時の髪色は…

私はそばにあったオレンジがかった茶髪のウィッグを手に取った。

彩「こういうの…」

遥「ウィッグはそれでけってーい！！それじゃ次はカラコンね！！」

そういってハルハルがカラコンを取り出す。青みがかった紫色のカラコン。

私はそれを何とかつける。

遥「それじゃあ、メイク始めるよ。あ、洗顔してね」

私は洗顔をして改めて席に着く。

遥「アーヤ、肌キレイ！！角質一つもない！！」

いつも洗顔しているからかな…？

ハルハルはまずはコンシーラーねと言ってコンシーラーを見せられる。

それからいろいろファンデーションとかチークとかをされる。

しばらくしてウィッグをつけると鏡には幼いころ影山さんからサッカーを教わっていたころの

綾真が成長した姿がそこにあった。

彩「…！！」

遥「服はこれかな」

ハルハルに渡されたのはパーカータイプのもので下はジーンズという簡単なものだった。

遥「うん！最高！！」

懐かしいその姿に昔のことを思い出す。それと同時にあの優しかった影山さんが犯罪者であることに

とても悲しく思った。

遥「…ねぇアーヤ」

彩「なぁに？」

遥「影山零士を捕まえるの辛くない？お世話になったんでしょ？」

ハルハルの言葉に私は目を瞑る。

彩「影山さんはね。私にサッカーを教えてくれた人が亡くなって喪失感を覚えていた時に私の前に現れたの。サッカーの楽しさを教えてくれたのが亡くなった…【円堂大介】ならサッカーに大切な技術を教えてくれたのは【影山零士】なんだ。すごく優しくて練習の後はいつも飴をくれたの。ハート形の棒付きキャンディ。あんなにやさしかった影山さんが犯罪者なんて信じたくない。でももし本当なら。きちんと罪を償ってほしい。また影山さんとサッカーをしたいから」