アーヤは天才サッカー『少年』！？ (ページ30)

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小塚サイド

学校での課題で漢字の意味について出されて勉強していた時のこと。

小「あれ…？この漢字の意味辞書にも載ってない…」

僕はふと頭の中に彼女の顔が浮かんだ。

去年まで他のメンバーと一緒に探偵チームＫＺというチームで活動していた。

紅一点だった彼女は僕らに媚びることもなくむしろ女扱いを嫌がった。

中学２年になってさらに忙しくなり探偵チームＫＺは自然消滅したけど久しぶりに声を聞きたい。

漢字の意味はただ彼女と話す口実になると思ったんだ。

僕はさっそく電話をすることにした。

数コールで相手の声が聞こえる。

彩母『はい。立花です』

小「小塚です。彩さんいますか？」

彼女の名前を口の中で転がす。その名前を呼ぶだけでこんなにも心が躍るんだ。

彩母『小塚君！久しぶりね。だけどごめんなさい。彩はいま長期留学で家を留守にしているのよ』

え…？

長期留学？

小「失礼ですけど…どこに？」

彩母『確かイタリアだったかしら…？』

イタリア…？

彩母『秀栄学園わかるかしら？』

小「はい」

秀栄学園。駒場・開成に並ぶ東京の高偏差値の学校。幼稚園から大学までエスカレーター。

各々の技能を伸ばすその学園では確か中等部生徒会。高等部生徒会が力を持っていると聞いた。

彩母『そこでね。内部生の推薦があれば外部の学校の子でも留学ができるっていうシステムでそれを利用したの。お金は全額学園負担だからいいかなって思って。』

秀栄学園のイベントにそんなものあったのか…

小「そうなんですね。ありがとうございました」

彩母『本当ごめんなさいね？』

小「いえ」

結局、漢字の意味はネットで調べて答えを書いた。

黒「よ。どうしたんだよ。そんな難しそうな顔して」

同じクラスの黒木が声をかけてきた。

小「いや…昨日の課題」

黒「国語の？」

小「うん。わからないものがあってアーヤに聞こうと思ったんだ」

黒「へぇ…アーヤは元気だった？」

小「アーヤ、いま長期留学中でイタリアにいるらしくて」

黒「イタリア？」

小「秀栄学園の長期留学に参加してるらしいんだけど」

黒「秀栄学園の長期留学…？」

？「秀栄学園に長期留学制度なんて聞いたことない」

そこには登校したであろう上杉が立っていた。

黒「俺の知り合いがそこに通ってるんだけど聞いたことがないって。」

アーヤ…何かに巻き込まれているんじゃ…

黒「生徒会が動いてるのかもって聞いた」

小「生徒会が？」

上「あいつが喜びそうな話だな」