８３話 ページ43
「不服じゃないけど、…その、怪しい…と、思う。」
流石に言いにくくて言葉を濁した。
「友」を信じられない私は「友」を理由にされると困るのだ。
しかし、セインが私に会いにくるそれ相応の理由が見当たらない。彼のような超常的な力があるのならともかく私には何もない。
それなのにわざわざ様子を見にくるなんて、彼が気が狂ったかのようにしか思えない。
たぶん違うと思っても、捻くれた頭ではそう考えてしまう。
彼を思うのならこの返答は不正解だろう。
でも、セインは私が繕うのを嫌がった。
『それは偽りの言葉だろう？私が本心が聞きたい。』とセインは悲しんで、私なりの思いやりを拒絶したことがある。
だから、私は嘘をつきたくないと思うようになった。
世論的に間違っていたとしても、…これが彼との正しい付き合い方だと信じて。
実際、私の酷い返答に彼は口角を上げる。
「だろうな。期待通りの返答で安心した。」
「…変なの。」
「なんとでも言え。」
不貞腐れた言葉とは裏腹に笑っていた。
多分彼は本気で私を「友」として思っているんだろう。
だから、…『不服か』どうか尋ねる際妙に空気が重く感じた。
私の全てを知ってるか否かは定かじゃないが、それでも野坂とは違う意味で、セインが"私"に対して意固地になってるのは確かだ。
それは、私が初めてまともに会話した下界の人間だから、なのかもしれない。
「それで、なぜAはロシア語の本なんて読んでいる？」
私の思考を遮って、彼は私の手にある参考書「誰でもわかるロシア語！」を指差した。
…そう、私は今ロシア語の学習参考書を片手にロシア語を勉強していた。
アレから逃げるために海外にでも渡航するのか？
冗談交じりに尋ねる彼の様子から既に理由は把握しているようだ。
なぜ聞くんだと思いながらも私は淡々と語った。
「…貰った手紙の中身が全て読めないロシア語だったら、その勉強をするでしょ？」
ほんの短期間ロシアへ渡航していたり、母親がロシア人だとしても、…長年日本に住んでる日本人が容易くロシア語を習得できるのか？
できるわけない。
できるのなら、当の昔から言葉の垣根を超えて海外と交流しまくってることだろう。
何が言いたいのかというと、…つまり、私は以前ベルナルド・ギリカナンから貰ったフロイが書いた例の大量の手紙を読むのに大変難航していた。
手紙を開いて、まず思ったのは言語の壁。
送ってきたフロイ…見た目の割に鬼畜プレイを御所望らしい。
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沙稀乃(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» ありがとうございます！(*´∇｀*)私の頭がポンコツのため、なかなか進みませんが、よろしくお願いします！\( ˙▿˙ )/ (2021年11月5日 0時) (
レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！続きを待ってます！(*´ω｀*) (2021年11月3日 20時) (レス) @page40 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
沙稀乃(プロフ) - ピータンさん» コメ、ありがとうございます！！凄く面白いと言われて、もう既に心が有頂天になってるんでまともに返信ができませんが、本当に嬉しいです。ありがとうございます！更新のろのろですみません…！ (2020年8月21日 16時) (レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
ピータン(プロフ) - すごく面白いですね！これ野坂君がもっと大きくなったらどうなるんだろう？これからも楽しみにしてます！ (2020年8月21日 11時) (レス) id: d4faf78640 (このIDを非表示/違反報告)
沙稀乃(プロフ) - こさめさん» え！？本当ですか！！ありがとうございます！！コメント本当にありがとうございます！嬉しいです！ (2020年8月18日 17時) (レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙稀乃 | 作成日時：2020年4月12日 12時
