６３話コーヒーと紅茶と… ページ21
あの出来事以来、不器用ながらも野坂悠馬とだんだん友達らしいことができ始めていた。
機械的な応対と愛想のない顔は今までもなにも変わらないが、それでも他愛もない話を自分からする程度になったのだから大きな進歩だと思う。
野坂悠馬の「好きだよ。」等の甘い台詞を殆どガン無視していたのに、今ではちゃんと相槌して返してる。
本当に私は模範的ないい事をしているのだ。
なのに、それなのに、だ。
ある日珍しく研究員に呼ばれて、仕方なく野坂を引きはがして応接間に向かったわけだが、そこには知る人ぞ知る方がいたのだ。
高級そうなソファで優雅にコーヒーを飲む銀髪の美青年。
そして、その傍らにサングラスをかけたガタイのいい男が複数人いるのを見逃してはならない！
誰だろうが、適当に相槌を取って早々に帰ってもらおう。野坂にも部屋で待たせているわけだし。
そんな軽い気持ちで扉を開けた刹那、私はフリーズして(なんでこの人がここにいんの！？！？)と心の中で叫んでいた。
神様がいるのなら、ぜひとも会見を開いて説明をしていただきたい。
_題して、どうして"彼"が英才こどもセンターの応接間でコーヒーを飲みながら私を待っているのかについて。
あまりに異様な光景を目の当たりにした私は見なかった事にしようとゆっくり扉を閉めようとしたが、凛とした声が遮った。
「そんなところにいないで、早く入るといい」
「……はい」
帰れないじゃん。…仮病でも使えばよかった。
後悔を募らせて彼の向かい側のソファにしぶしぶ足を進める。もうこれ以上厄介事を抱えたくなかった私にとって、非常に最悪な現状だった。
恐る恐る真向かいのソファに座り、縮こまる。
側いるボディーガード達のせいで、まともに机越しで鎮座してる人を直視できなかった。
「元気にやってるか？」
「…ええ、と…元気、です…。」
「そうか…」
落ち着いた顔でその一言を溢すと、彼は湯気の立っているコーヒーカップをゆっくりと揺らし…また口にする。
元気です。と言った途端、彼は眉間にしわを寄せた。
粗方私が嘘を言っているのをわかっているんだろう。
まあ、彼の財と権力を持ってすれば一般庶民の私なんぞの過去話、簡単に見抜けられるだろうし、…第一、何も知らずにここに行き着くわけがない。
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沙稀乃(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» ありがとうございます！(*´∇｀*)私の頭がポンコツのため、なかなか進みませんが、よろしくお願いします！\( ˙▿˙ )/ (2021年11月5日 0時) (
レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！続きを待ってます！(*´ω｀*) (2021年11月3日 20時) (レス) @page40 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
沙稀乃(プロフ) - ピータンさん» コメ、ありがとうございます！！凄く面白いと言われて、もう既に心が有頂天になってるんでまともに返信ができませんが、本当に嬉しいです。ありがとうございます！更新のろのろですみません…！ (2020年8月21日 16時) (レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
ピータン(プロフ) - すごく面白いですね！これ野坂君がもっと大きくなったらどうなるんだろう？これからも楽しみにしてます！ (2020年8月21日 11時) (レス) id: d4faf78640 (このIDを非表示/違反報告)
沙稀乃(プロフ) - こさめさん» え！？本当ですか！！ありがとうございます！！コメント本当にありがとうございます！嬉しいです！ (2020年8月18日 17時) (レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙稀乃 | 作成日時：2020年4月12日 12時
