４８話 ページ6
この世界のAAの外見はいい方だろう。
これで無邪気に笑ってたらそりゃ、誰かの初恋を奪えるわ…とか鏡越しに幼さが残る自分の顔を見てたまにそう思ったが、そこにあるのは優しさを微塵も感じない冷たい顔だ。
自分をわかったあの日からずっとそんなブス顔をさらしているのだから、自然に同い年の子は寄ってこないはずだが…。
「それ、Aちゃんの？
白い花か、なんの花だろ…？」
わざとっぽく興味津々に覗き込んできたコヤツは腕を絡ませ、簡単に解けないようにがっちりとくっついてくる。
…例外はいるらしい。
とりあえず適当にあしらった。
「さあね、曲がり花とかじゃない？でも、案外雑草だったり？」
「曲がり花って？」
「基本は白色の花で多年草。以上」
「へぇ…」
彼は腕に力を入れると、耳元で囁いた。
「ねえ、それって手紙を送った人から貰ったの？」
「っ！」
ほんの僅かだけど目を見開くという愚かな反応をしてしまったがために彼は一気に責め立てる。
「その人ってAちゃんの何？どんな人？」
「なんで、貰い物ってわかったの」
「僕の質問に答えて。…僕、これでも怒ってるんだよ。とっても」
野坂がそんなことを口にせずとも、私を見てくる彼はまず笑ってないし何より目つきが大層ギラついているのでわかる。
…話すか？
いや、__
私は押しとどめた。
向こうで何事もなく元気にやっている彼にこれ以上厄介事をふっかけるような真似はしたくない。
答えを渋っていると彼はすっと腕から手を放した。
「それ、もらうね。」
「ちょっ！？なにしてっ…は！？」
私の承諾もなしに彼はいきなり力強く私の手から髪飾りを奪い取って、ゴミ箱に捨てる。
「あんた、どういうつも_！」
「嫌い！！」
手でぐしゃりと髪の毛を乱して俯く野坂の口から零したその酷な言葉は私を止めるのに十分すぎた。
「え…」
望んでいるはずの言葉なのに心臓が痛い。
「なんでAちゃんに庇ってもらえるの！！？
僕の方がぜっっったい！Aちゃんを"好き"なんだ！」
初めて素らしい彼が現れた。
いや、ちょっと待て。
「あの悠馬く」
「僕なんてきっとそいつに比べたらかっこよくもないし、頭もよくなくて、体力だって…っ！」
「ちょっと」
「負けたつもりなんて…うぅ…っ！」
あの…"ゴミ箱"に向かって何言ってんの？
「僕からAちゃんを奪うやつなんて嫌いだ！ばか！」
溢れる涙を抑えてゴミ箱をキッと睨みつけると部屋を飛び出していった。
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沙稀乃(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» ありがとうございます！(*´∇｀*)私の頭がポンコツのため、なかなか進みませんが、よろしくお願いします！\( ˙▿˙ )/ (2021年11月5日 0時) (
レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！続きを待ってます！(*´ω｀*) (2021年11月3日 20時) (レス) @page40 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
沙稀乃(プロフ) - ピータンさん» コメ、ありがとうございます！！凄く面白いと言われて、もう既に心が有頂天になってるんでまともに返信ができませんが、本当に嬉しいです。ありがとうございます！更新のろのろですみません…！ (2020年8月21日 16時) (レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
ピータン(プロフ) - すごく面白いですね！これ野坂君がもっと大きくなったらどうなるんだろう？これからも楽しみにしてます！ (2020年8月21日 11時) (レス) id: d4faf78640 (このIDを非表示/違反報告)
沙稀乃(プロフ) - こさめさん» え！？本当ですか！！ありがとうございます！！コメント本当にありがとうございます！嬉しいです！ (2020年8月18日 17時) (レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙稀乃 | 作成日時：2020年4月12日 12時
