脅威 ページ5
水鳥の持つ拳銃から、銃声が響いた。一乃は咄嗟に身をかわし、かろうじて弾丸に当たらずにすんだ。それでも水鳥の脅威から逃れられたわけではない。
「お前も……やる気だったのか、水鳥！」
倉間と太陽も呆然として彼女を見た。水鳥はというと、三人の顔を順番に確かめてから、ニヤリと口角を上げた。
「悪かったなあ、一乃。邪魔者を消したかったんだろ？ ま、許してよ。どうせお前ら…ここで死ぬんだからさ♪」
一乃はリボルバーを構え直した。水鳥も拳銃を向けてきた。二人は対峙した状態のまま、お互いの隙を探るようにゆっくりと動き始めた。
ふと一乃は、背後に包丁を持った倉間がいることに気づいた。彼が襲いかかってこないことを祈りながら、一乃は気にせず水鳥の動きだけをひたすら目で追った。
「……倉間さん」
太陽が倉間に声をかけた。
「あなた、本当に自分が生き残れるとでも思ってるんですか？」
太陽の目は一乃たちに釘付けだが、言葉はしっかりと倉間へ向けられていた。
「！ それを、言うな……」
「死ぬのが怖い。だから、少しでも長く生きる為に仲間を殺した。違いますか？」
「……っ！ 黙れよ……」
「そして今は、それを悔いている。だから一乃さんに、自分を殺すよう言った。そうですね？」
太陽の容赦無い攻撃に、倉間は返す言葉すら見つからなかった。彼が言っていることは、全て紛れもない事実だから。
「……すみません、ムカついたなら俺を殺して結構です。ただし、俺はそれなりに抵抗するつもりですけど」
太陽はそう言って、デイパックから短剣を取り出した。
「……ムカつくよ。お前はムカつく。けど、殺したりは、しない」
「へえ、どんな風の吹きまわしですかね？ 殺人者らしくもない」
「もういいよ……疲れたよ。太陽、俺は…殺人者の俺は、死んでも救われるのか？」
「ムリ。絶対ムリ」
即答した太陽は、笑っていた。今になって柄にもないことを言い出す倉間が、おかしかったのだろう。
「でも、あなたには気づかされた。また天馬とサッカーがやりたかったけど、もう無理だって。だから、僕は……」
水鳥が発砲した。弾丸は一乃の右肩をかすった。彼も撃ち返す。
「……天馬が少しでも長く生き残れる為に、犠牲になる！！」
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紅蘭 - 続き楽しみにしています！更新頑張ってくださいね！ (2020年5月3日 20時) (
レス) id: c9c79794b0 (このIDを非表示/違反報告)
浜野鶴正 - 更新お願いします (2018年7月28日 1時) (レス) id: 76900bd172 (このIDを非表示/違反報告)
常連客 - 頑張って下さい。面白いですね、○し合いなのにグロ要素が無いという全年齢対象で、とっても良いと思います。浜野防弾チョッキって最強(？)じゃん・・・；； あれ？倉間ってナイフじゃなかったっけ？？・・・・・あ！水鳥のか・・・ｗｗｗ (2015年5月27日 10時) (レス) id: e00034d299 (このIDを非表示/違反報告)
モブ子 - 面白いです！浜野がなにげに生き残りそうです…更新頑張ってください！ (2014年12月14日 15時) (レス) id: 9b39510a3b (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 続きが楽しみです！ (2014年11月14日 22時) (レス) id: 41ef129427 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ココナッツ | 作成日時：2013年5月7日 17時
