【イナズマイレブン】怪傑の奇術師【男主】 (ページ9)

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「よぉーし!次だ!!」

夕暮れ時、円堂と白石は河川敷で今日も今日とて小学生とサッカーをしていた。
中学生のように必殺技もなくまだまだ発展途上の彼等に自分たちと同等の力は無いが、それでも円堂はいい練習になってると彼等に笑顔を向けている。

白石は秋が持ってきてくれいたドリンクを口にしながら、円堂を見つめていた。

『守っていつでも前向きだな』

「うん……本当は満足出来てないのに」

『それもこれもアイツ等のやる気次第なんだけどね。まぁ、俺達だけじゃきっかけは作れないってことだよ』

スポーツドリンクを飲む白石を、斜め下から見る秋。
白石は去年の夏に転校してきて、サッカー部に入部したのはついこの前だと言うのに。自分よりも彼等の考えや行動を理解している。そして誰よりも、円堂のことを理解していた。

そんな彼をすごいなぁ心のなかで呟いて、人知れずに小さく笑う秋。
練習風景を観察している白石はそれに気付くことはなかった。

休憩を終えた白石が再びフィールドに入るのと同時、小学生の1人が蹴ったボールが不良の前に飛んでいってしまった。

円堂は慌てて駆け寄る。

「大丈夫ですか!?すみません……あの、ボールを返して……っぐ!?」

『守!』

「円堂くん!」

頭を下げてボールを返して欲しいと頼んだ円堂の腹に不良の蹴りがもろに入り、膝まずいた円堂。白石は思わず彼の名前を叫んだ。

「ボールってこれか？」

痛みに耐える円堂を見下ろした不良はあろうことか、ボールを椅子のようにして腰を掛けた。

白石＿＿＿そして上からその様子を見ていた"彼"は眉を潜める。