【イナズマイレブン】怪傑の奇術師【男主】 (ページ5)

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円堂に手を引かれるがままに連れてこられたのは、誰でも使用することが出来る民間の河川敷のサッカーコート。夕方に差し込む前の時間ということもあり、先客はいない。

ベンチに荷物を置くと早速ゴール前に立つ円堂。
気合いを入れるように両拳を合わせて、手を大きく広げた。

「いつでもいいぞー!!」

『いつでもいいって………
俺制服だからそんな動けないぞ!』

まさかサッカーをするとは思ってなかったため、練習着は無い。それどころかスパイクさえも無い。下手したら怪我をしてしまうかもしれないので躊躇った白石だが「ゆっくりでいいからさ!」という円堂の言葉に、根は彼と同じサッカー馬鹿である白石は折れた。

『……じゃあ、いくよ』

彼は思いきり足を振り上げた。

ーーー

それからというもの、放課後には河川敷でサッカーをすることが日課となっている。

夕日に照らされて、夜までサッカーをした。
時には雨に打たれながら、風に吹かれながら。
顎先から滴る汗を拭う動作もうっとうしく思うくらい、夢中になって。
人数が欲しい時には小学生チームに混ざってゲームをしたりした。

そんな日々を繰り返していくなかで円堂は思ったのだ。
＿＿＿＿白石が居てくれれば、サッカーは100倍楽しい。

それに気付いた途端円堂は白石をサッカー部に誘った。放課後、お遊びを含めた白石とのサッカーも楽しいが、一緒に試合を出来る日が来たらどんなに楽しいんだろうと。

白石の返答に期待を持って胸を躍らせた結果、
彼はその誘いを断った。

「なんでだよ!!サッカー好きなんだろ!?」

『そりゃサッカーは好きさ。でも部活には入れない』

「だからそれがなんで…」

『まだ早いんだ。』

問い詰める円堂の言葉を遮った白石の横顔は、一層真剣な表情をしている。
円堂は口を結んで、黙って横顔を見つめた。

『雷門に入るのはまだ早い。だから入らない。
……でもそうだな、2年になったら考えてみる』

「!!ほんとか!?」

『あぁ。』

「よっしゃぁぁ!!
約束だぞ!!忘れんなよ!!」

・

4月、転校してきてから約9ヵ月。
＿その約束を果たす年がやってきた。