【イナズマイレブン】怪傑の奇術師【男主】 (ページ38)

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「円堂!来たぞ」

風丸の声に全員がそちらを向けば、不気味な雰囲気をただ寄せる尾刈斗中サッカー部の姿があり、影野が「不気味……」と小さく呟いた。それに半田が「お前が言うな」とつっこむ。
2校のサッカー部がハーフコートで向かい合い、その横で監督同士が握手をする。握手を終えると尾刈斗中の監督は豪炎寺と白石の前に立った。

「君が豪炎寺くんと白石くんですね。帝国戦で君達が打ったシュート、見せてもらいましたよ。いやはや全くもって素晴らしかった!今日はお手柔らかにお願いします。」

「ちょっと待て!アンタ達の相手は豪炎寺じゃはい!俺達全員だ!」

「はぁ……?これは滑稽ですね。
我々は豪炎寺と白石くんと戦ってみたいから、練習試合を申し込んだのですよ。弱小チームである雷門中など、興味はありま」

『あの、』

あと1歩で染岡がキレる、
＿＿というところに白石が尾刈斗中監督の声を遮った。

『俺達目当てだとか、雷門中に興味はないだとかぬかしてますけど、よく俺のチームを貶しましたね』

「おや気を悪くしたなら謝ります。
君を敵に回すと怖いですから」

『もう手遅れだと思いますよ。
＿＿試合、覚えてろ』

豪炎寺でさえ初めて聞いた白石の低い声音に、相手監督は肩を震わせる。周りに居た仲間でさえもその気迫にたじろいでただただ白石の横顔を見つめた。
そんな仲間のことも露知らず、言うだけ言ってスッキリした白石は、笑顔を見せると『失礼しました』と心にもない謝罪をした。