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白石は鬼道を連れて2階に上がると、自分の部屋に招いた。
促されるままに部屋に入れば彼の栄光の証であるメダルや賞状が棚の上に陳列しており、鬼道はそれを見ると意外そうに、ほう、と声をもらした。
「こういうのは片付けるか、家族が見えるところに置いてるのかと思ってたが」
『下に置くと両親が自慢したがるもんでね。片付けるのも勿体ないし、消去法だよ』
白石は机の上を軽く片付け『すきなとこ座って』と鬼道に声をかける。
鬼道は近くにあったベットに腰を下ろすと、そのまま白石に向けて隣を叩いた。
来い、ということなんだろう。
何も言わずに鬼道の横に座れば、口を開く。
「今日来たのは義父さんに紹介したい人が居ると言っててな……なんでも俺と同い年で、サッカーをやっているらしいと聞いて、来てみればお前がいた」
『……なんか期待ハズレでごめん』
「いや、むしろ大当りだ。
まさか父親経由でちゃんと話せるとは思ってなかった」
鬼道はそう言って笑う。白石はその横顔を見ながら、彼の瞳を覆うゴーグルに手を伸ばした。
冷たいレンズが指先に当たったところで「何をしてる？」と鬼道が気付いて、その手を止めた。
『あ、いやそれ外さないのかなって。出来るなら、目を見て話したいから』
「……外せないことはないが」
『おー』
何かを期待するような白石の目に鬼道はふっと笑うとゴーグル手をかけて、ゆっくりと外した。
「これでいいか」
始めて見た彼の裸眼は、赤く鋭く光っていて。
どことなく帝国戦に来ていた新聞部の子を彷彿とさせる顔だちをしていた。
『うん、さんきゅ。にしても、綺麗な目だね』
白石は無意識に鬼道の頬に手を当て、親指で目の下をなぞった。
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作者名：-naki-
x他1人 | 作成日時：2018年5月28日 20時
