29 ページ29
次の日の放課後。
昨日の帝国との試合の反省会をするべく、サッカー部は部室に集まっていた。
「帝国戦で俺達の問題点が分かった。それで＿」
「問題点もなにも、まず体力無さすぎ」
円堂の声を遮るマックスの意見はごもっともである。
昨日の試合、白石以外の全員が遊ばれてたのは記憶に新しい。
「あ、ごめん。
今のへこんだ？」
「……円堂、話を続けてくれ」
反省気のなく謝るマックスに、風丸は円堂に続きを促す
「まぁ、体力作りは勿論なんだけど…
こんなフォーメーションを考えたんだ!」
背後のホワイトボードにそれぞれの背番号をふっていく円堂。それは彼の祖父が考え、ノートに残したフォーメーションだと言う。
「あのぉ、キャプテン」
「ん?なんだ?」
「この間の豪炎寺さん、呼べないんですかね?」
「!」
宍戸の言葉に白石の横で話を聞いていた染岡が肩を揺らして反応する。
「そうだよね。結局のところあのもう1点、豪炎寺くんのシュートだったんだからねぇ」
「今の俺達じゃ、あんな風にはなれないッス」
「白石さんもそう思いません?」
『え?ああ、ううーん……』
そこで染岡が立ち上がった。
その表情は豪炎寺の存在に夢を見ている仲間への怒りや、その事実や、その他色んなものにさいなまれている顔をしている。
「……あんなのは邪道だ!
俺が本当のサッカーを見せてやる!!」
突然のことに仲間達も驚きを隠せない。
だが白石はこうなることをなんとなく察していたので、黙って目を伏せた。
「豪炎寺はもうやらないんだろ?」
「それは、分からないけど……」
「円堂までアイツを頼りすぎだ」
「なっ、そんなことは!」
「俺達だって出来るさ!もっと俺達を信じろよ!!」
『染岡くん、そこまでに……』
白石が止めに入ろうと手を伸した時、マネージャーの秋が「皆、お客さんよ!」と誰かを引き連れて入ってきた。。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 99人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：-naki-
x他1人 | 作成日時：2018年5月28日 20時
