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2点目が入りこれから少しでも点差をつめるぞ、となるかと思いきや。
白石と豪炎寺のシュートで満足したのか、帝国が試合放棄の申し出をした。
「……」
「……」
校門へと歩く鬼道と、自陣ゴールへ向かう豪炎寺。
言葉を交わせずとも互いが敵としてしか見ていないことは直ぐにわかる。仲間になれたらよき理解者として円堂を支える立場にもなりそうだ、と二人を眺めていた白石は考え、そしてこの考えが案外間違っていないことを知るのはもう少し先の話であった。
それはそれとして。
帝国学園が試合放棄をしたということは、ルール上雷門中が勝利したと言っても過言ではない。
全員豪炎寺の元へ集い、喜々として円堂は手を差し出した。
「よく来てくれたな!これで新生雷門サッカー部の誕生だ。豪炎寺、これからも一緒にやっていこうぜ」
「今回限りだ。」
豪炎寺はユニフォームを円堂に突き出すと、白石を一瞥してから背中を向けて去っていく。
白石はそれに何かを感じて、ベンチから自分のジャージを引っ張ってくると『ごめん、ちょっと』と断りを入れてから彼の背中を追いかけた。
『豪炎寺くん』
「……!」
フィールドを出た豪炎寺は何も言わずに白石を見る。
白石は自分のジャージを彼の肩にかけ、苦笑いを溢した。
『そのまんまだと目の毒だよ。あ、でも俺の臭いかもしれない』
「……いや、お前の匂いがして落ち着く」
『?そう。』
なら良いんだけど、と白石はジャージのファスナーをしめて豪炎寺の肩を叩いた。
『さっきはありがとう。
おかけで2点目がとれたよ』
「……」
『また、サッカーしようね』
「……っA、俺は」
『目が覚めてから。それからでいいからさ。』
何とも言えい顔をする白石に、どうなにを返せばいいのか分からない豪炎寺は俯きがちに頷いた。
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作者名：-naki-
x他1人 | 作成日時：2018年5月28日 20時
