【イナズマイレブン】怪傑の奇術師【男主】Ⅱ (ページ41)

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次の日の放課後。午後から病院の用事が入っていた白石は、検査の帰りにいつもの癖で河川敷に歩みを進めていると、聞き覚えのある声が耳に届いてきた。

駆け付けた河川敷のコートには、先日会った雷雷軒の店主と円堂が向かい合っていて。
白石の存在に気付いた円堂が「Aー!」と大きく手を振った。

『守!と、雷雷軒の店主さん。こんなところで何を…?』

「今勝負してるんだ!
俺がシュートを三本止められたら、雷門の監督になってもらう!!」

『監督に……』

白石は店主を見るのと同時に、店主＿＿響木もサングラス越しに彼の姿を見つめた。
いつも行くスーパーの雑誌コーナーで幾度となく見かけた白石A。写真で見るよりも良い顔立ちは、14歳とは思えないほど整っている。勿論その実力もさることながら。

＿＿＿＿＿これが少年サッカー界が誇る逸材だというのであれば、納得する他ない。

「お前さんが、白石だな」

『はい。白石Aです』

「この勝負、その坊主が負けたらお前たちが大会に出場できる確率は格段に低くなる。……それでも、ソイツを信じて勝負を任せるのか?」

探るような響木の言葉に、白石は不敵に笑った。

『俺は、信じてます。
この勝負に勝つのは＿＿＿＿守だってことを』

今まで培ってきた信頼が前面に出た本音だった。
円堂は白石にここまで強く思われていたことを実感し、胸がじんわりと熱くなっているのを感じていたが、これの正体が友情なのかかたまたそれ以外のものなのかの判断はできなかった。

しかし今はそんなことを気にしていられない。勝負は全て円堂に預けられのだ。

白石はふたりから少し離れたところで勝負の行方を見守ることにして、瞬きすら惜しむほど食い入るように眺め＿＿＿＿そして＿＿＿。

「A!!俺！」

『ああ、見てた、見てたよ』

君がおじいさんのゴッドハンドでシュートを守り抜いて、雷門を決勝へと進ませてくれた瞬間を。