【イナズマイレブン】怪傑の奇術師【男主】Ⅱ (ページ14)

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秋に連れられて部員がやって来たのは、雷門中の校舎の外れで敷地内の端にある"開かずの扉"の前。雷門の七不思議だか怪談話だかのひとつらしいが、そういった部類の話は実際に目にしないと信じないタイプの白石は一歩前に出て至る所を触っていた。

「し、白石さん!危ないですよ!」

『大丈夫だよ、別に変なこと無さそうだし……ん?』

不気味がってる部員をよそに白石は扉を叩くと、勝手に扉が開いた。

「「ギャーーー!!」」

扉の隙間からちらっと見えた髪に、メンバーは絶叫。
最前線に立っていた白石は少しだけ驚いたあと、見えた茶髪の主を見て名前を呼んだ。

『……雷門さん?』

「皆揃ったわね」

ーーー

「さぁ、入って」

夏未に促されるままに全員が地下の建物に足を踏み入れると、自分達よりも遥かに大きい機械が建物の中に並んでいた。

「ここは?」

「伝説のイナズマイレブンの秘密特訓地、イナビカリ修練場よ」

『ここがイナズマイレブンの……』

「お前、なんでこんな場所があるって」

「見つけたの」

夏未によると、理事長(父親)の仕事の手伝いをしているときに、この場所の設計図をたまたま見つけたと言う。それを父に頼んで必殺技の練習場としてリフォームしたらしい。
理事長の娘である夏未を味方につけるとこんなにもなんとも有り難いとは。白石は心のなかで感心しながら、もう一度機械を見上げた。

「使っていいのか!?」

「あるものは使わなきゃ損ですからね」

「ほんとか!?」

『これは本当にすごいね。雷門さん、ありがとう』

「わ、私は別に!理事長の娘として当然のことを……」

『だとしても、君がリフォームの提案してくれなきゃ使えなかったんだろ』

＿＿＿彼の笑顔は時として毒になる。
その笑顔を一身に向けられた夏未は、彼のから目を逸らすのに必死だった。

見方によっては良い雰囲気とも捉えられる二人の様子を、他の雷門メンバーは気に食わなさそうな表情で眺めていた。