第１９１話 ページ20
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かずには悪いけど、今は少しかずのことを気遣ってあげる余裕なんてない。
ドクドクドク。次第に早まっていく心臓の音を誤魔化すように、私は口を開く。
『かずは1人じゃないよ、そう言ったの覚えてる...？』
一成「...うん、」
『―――あの言葉の続きを、言わせてほしい』
変わるって決めたから。
私とよく似たかずが、そのきっかけをくれたから。
できることなら、抱きしめたまま言ってしまいたい。
ううん、本当はそのまま言わないで済ましてしまいたいほど、まだ私の心の中には臆病な自分がいて。
きっとかずが抱えていた恐怖は、こういうのだったのかな、なんて思ってしまう。
ゆっくりと腕を離し、かずを解放する。
この先の言葉をかずは理解しているのか、あちこちに視線を移動させるも、最後には私の方を向いて。
覚悟を決めたその瞳に、今度は私の瞳がゆらゆらと揺れてしまう。
そんな覚悟、しなくていいのに。
―――私の言葉に、傷つく覚悟なんて。
でも、そう思わせてしまっているのは私のせいで。
だから私がかずにしてあげられることは、これしかない。
かずが夏組の皆にしたように、私もありのままの気持ちをかずに伝えよう。
『―――かずには、私がいる』
一成「ぇ...？」
『っ、頼りないのは分かってるし、何もしてあげられないし、実は迷惑とか思われたらちょっと傷つくんだけどっ、』
予想外の言葉だったのか、情けない声をあげたかずよりも、さらにテンパって何を言ってるか分からない私。
そんなカオスな状況でも、私たちを笑う人は1人もいなくて。
その状況に、もういいやと開き直った私はかずの目をしっかりと見て言葉を紡ぐ。
"私も、かずの傍にいてもいいかな"、と。
天馬みたいにもっと堂々と言えれば良かった。
でも、何せ最近の私はことごとく自信がない。
だからそんな言い方になってしまったんだけど、かずはそんなことお構い無しに、私をぎゅっと抱きしめて。
一成「っ、オレ、今日のこと忘れないっ！」
『そ、そんなに？』
一成「サクちゃんが居てくれるなら、何でもできそうな気がしてきた！」
『...そっか、』
すっかりと元気を戻したかずに、私も嬉しくなる。
...私も、今日のことは忘れないと思う。
心の中でそんな言葉を呟いた時、
咲也「天馬くん！そろそろ時間だよ！」
『え、咲也？』
千秋楽を客席で見ているはずの咲也が舞台袖に現れた。
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琥珀(プロフ) - ヒロミさん» 全て読んでいただき本当にありがとうございます！面白いと言って頂けるとモチベーションにもなりますし、嬉しい限りです＾＾ストーリーは３部まで展開予定です！ただ、イベントストーリー含めた番外編も執筆予定なので、どのくらい先になるかは未定です...；； (2022年3月11日 21時) (
レス) id: 38ce327301 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロミ - 長くてすみません…3月に入り温度変化が激しい時期に入ったのでお体に気をつけて執筆活動して下さい！ (2022年3月11日 8時) (レス) id: 2c46af0c41 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロミ - すみません、感想が入り切れなかったので再度投稿しました。質問なのですが、アプリのA3はストーリーが最終章までアップされてますが、そこまでこの小説は展開していく予定なのでしょうか？私個人的には最終章まで携わってほしです最後まで小説を上げているの居ないので (2022年3月11日 8時) (レス) id: 2c46af0c41 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロミ - 初めまして、この小説全て読んだのですがとっっっても面白いかったです！あっという間に全部読んでしまいました。夢主の感情の変化がちゃんとストーリーに沿って変化しているので矛盾が無いですし団員達が徐々に夢主に惹かれていくさまは読んでてとても面白いかったです (2022年3月11日 8時) (レス) id: 2c46af0c41 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - いおりさん» コメントありがとうございます！冬組推しにも関わらずここまで長々と読んでいただけて嬉しい限りです...！いよいよ秋組がスタートしましたので、のんびりとお待ちいただければ幸いです＾＾ (2022年2月25日 23時) (レス) id: 901c4aa1c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀
| 作成日時：2022年2月13日 20時
