イナズマイレブン～FF編～第1巻 (ページ49)

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（４７）見つけたページ49

あれから円堂は、聖悟が行きそうな思い当たる場所を必死になって捜した。
しかし、そこには全て、聖悟の影ひとつ無かった。

円堂「本当にどこ行ったんだよアイツ……」

これだけ探しても見当たらない。
さっき聖悟の家に電話してみたが、いないと家族に言われたので恐らく外出しているのだろうが。

円堂「とりあえず、同じ場所をもう一回捜して……」

「……だろ。……に……だからさ！」

「あのなぁ……」

誰もいないはずの路地裏から、話し声を耳にした。喧嘩だろうか。

気になってこっそりと建物の影から覗いてみると、そこには見ず知らずの赤毛の少年と、壁に追い込まれている聖悟の姿があった。

だけど、聖悟は嫌そうな顔一つせずに、無表情でため息ばかりついている。

不良に絡まれて面倒臭い事態になっているということはよく聞く話だが、むしろ抵抗しないのが、円堂にとって驚きでしかなかった。

ふと気付くと、赤毛の少年は次の行動に移していて、聖悟の首に顔を埋めようとしていた。

円堂「やめろ！」

とっさに体が動き、気付けば２人を引き剥がしていた。

聖悟「円堂……？」

円堂「大丈夫か、天空？！何もされてないよな？！」

聖悟「は？なんのこと言ってんだよ」

円堂「え？」

「……なんか勘違いされてるみたいだな。……てか、こいつ誰だっけ、ソラ？」

聖悟「円堂守」

「あー、そっか。尾刈斗中との試合で勝ったあのGKか」

聖悟「円堂、紹介しておく。青龍中サッカー部部員DFの水狂言(ミズキョウゲン) 火哉(カヤ)だ」

円堂「えっ、サッカー部？！」

聖悟「つっても、ほとんどサボってるけど」

カヤ「しゃーねぇだろ？ウチんとこ、ほとんど試合することねぇんだしさ～」

聖悟「少しは行けよ、阿呆が。……それより、アンタ何でユニフォームのままなの」

円堂「あ……」

捜すのに夢中になっていたせいか、自分がユニフォームのままだということを忘れていた。

聖悟「ったく……」

聖悟は着ていた黒いジャージを脱ぎ、円堂に投げつけて、黒いタンクトップ一枚だけになった。

袖で指先まで隠れていた両腕が見え、円堂は目を見開く。

聖悟の腕は、二の腕から手の第1関節に掛けて包帯……いや、バンテージが巻かれていた。

円堂「あ……」