イナズマイレブン～FF編～第1巻 (ページ12)

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（１０）速攻ページ12

審判「これより、帝国学園VS雷門中学の練習試合を始めます！ではキャプテン、コイントスを……」

先攻、後攻を決めるのに、鬼道が勝手にポジションに向かおうとしていた。

審判「鬼道くん、コイントスを！」

鬼道「必要ない。好きに始めろ」

その鬼道の声は、まるで挑発するようだった。

勝つことが目に見えているという事か……。

「挑戦です！これは我が雷門に対する帝国の挑戦です！」

突然、僕等の隣りから白熱とした声が湧き上がって聞こえた。

僕自身は興味も無く、だらしなくもベンチであぐらをかいている。

春奈「何ですか？あなたは」

角馬「はい小生、将棋部の角馬圭太。角馬、角馬と覚えて下さい！
そして今日は、この角馬が実況解説を務めさせていただきます。
うあー！自己紹介をしている場合ではない！
ピッチでは今まさに！ボールがセットされ、雷門中学によるキックオフがされようとしています！」

この実況者、煩い上に鬱陶しい性格だと思う。

目金「いい気持ち！なんかボク、スターになった気分っ」

影野「確かになこんなに注目されたのは、俺も初めてだ」

うわぁ、呑気。

円堂「さあみんな！頑張っていこーぜ！」

試合開始のホイッスルが鳴り響いた。

目金のキックオフを染岡が受け取ると、すぐに後ろへと回した。

どちらかというとその方が最善策だ。

サッカーをしたこともないヤツにボールを預けるとロクなことないからな。

……あ、2人のスライディング躱した。

染岡「スゲェぜオレ、結構やれるんだな」

風丸「染岡！パスだパス！」

染岡「それっ！」

風丸「オッケー！」

角馬「ボールは以前キープ！細かくパスをつないで、帝国を翻弄！」

へぇ…これはなかなか…と考えてると、オレンジのアフロの1年が半田にパスを出した。

……しかし半田は敢えてスルーし、その向こうの染岡がシュートをした。

大抵のキーパーならこういうフェイントシュートは止められにくいが、何てったって相手は40年無敗のチームだ。

このくらい軽く取れるだろう、と思っていると本当にしっかりとキャッチした。

雷門の生徒たちはもちろん、秋さんや見学に来た音無さんも一喜一憂する。

源田「鬼道！俺の仕事はここまでだ！」

彼はボールを鬼道の足元へ投げた。

転がってきたボールを鬼道は足の裏で押さえて止める。

鬼道「あぁ……始めようか、帝国のサッカーを……」

円堂「始まる……！」

鬼道「行け！」

寺門「はっ！」

円堂「なっ……？！」