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『別にマイキーに許されなくたっていいし』
「あ？」
いくら顔なじみと言っても総長だ。楯ついてしまったんだから、殴られるかもしれない。
だって相手は"無敵のマイキー"様なんだよ。その証拠に、どんどん顔は険しくなってるし。
でも私の心を渦巻いているみっともない感情は、そんなもんでは無くなってはくれない。
圭介と仲が良ければ、圭介の代わりに何かを許したり、許さなかったりできるのか。
私には好きな人を失ったことの感情を表すことは、許されないのか。
圭介と仲が良い訳じゃない。
"それだけの理由"で。
...確かに墓石を蹴ったことは悪いとは思ってる。
けど、私にとっても圭介は大事な人だったんだ。
『殴りたいなら、殴ればいいよ』
私はそう言って、マイキーのことをきっと睨み上げる。
大好きな人はもうこの世にはいない。だから私にはそれ以上の怖いものなんてない。
殴られた痛みだって、きっと圭介を失ったことの辛さに比べればなんてことない。そしてそのまま圭介の元に行けるなら、それこそ好都合だし。
...圭介、どうしてるかな。
あの世の他の住人さんに喧嘩でもふっかけてるんだろうか。待って、それだったらめちゃくちゃ面白い。
是非近くで見たいから、マイキーにはむしろ私を殴って欲しいとまで思えてきた。
―――また、会いたいな。
「...悪ぃ、怖かったよな。だから泣くなよ」
『へ...？』
気が付けば、ぽんと私の頭にマイキーの手が乗っかって。
ぽかんとしている私を見るマイキーの顔は、さっきみたいな怖いものじゃない。小さな子でも相手してるんじゃないかってぐらい、優しいものに変わってる。何でだ。
『い、いや、私別に泣いてないんだけど』
「は？何言ってんの？どう見たって泣いてんじゃん」
『え？』
慌てて顔を触ると、確かに私の頬は濡れてる。一滴、とかそんなもんじゃない。
意識してしまえばもう手遅れで、じわじわと視界が歪んでいく。
服の袖で拭いても、出そうになる嗚咽を抑えるために深呼吸をしても、全然止まってくれやしない。
圭介の死を知った時ですら、泣けなかったっていうのに。
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琥珀(プロフ) - 白河青蓮さん» ありがとうございます＾＾書き溜めていたものが少ないので１話ずつの投稿になると思いますが、是非とも宜しくお願いします！ (2022年6月10日 22時) (
レス) id: bb1cc81145 (このIDを非表示/違反報告)
白河青蓮(プロフ) - 感情移入できるタイプに夢主ちゃんだ…。最高です！続き楽しみに待ってます。(無理はなさらないでください(^^) (2022年6月10日 18時) (レス) id: 7a285a1a8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀
| 作成日時：2022年6月10日 2時
