第１４０話 ページ43
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真澄「...アイツのこと、何も知らなかった」
シトロン「これから、たくさん知っていくヨ。お互い」
真澄の表情は、いつもと変わらない。
だけどどこか少しだけ、その瞳には後悔の色が混じっているような気がして。
私も真澄も、今なら少しだけ会話を交わせそうな気がする。
『あの、さ』
真澄「...なに」
ぎこちなく声をかければ、無視せずに真澄から返事が返ってくる。
こんなに誰かと話すのに緊張したことはあったかな。
それに、真澄とこんな風に目を合わせて話すことなんてそれこそ一度だって――。
『真澄の言うことはいつも正しいとは思ってる』
真澄「っ」
私がそう言うのは意外だったのか。
少しだけ真澄の目が開いたような気がして。
急に真澄と話すのが怖くなった私は、その視線をどこかに逃がそうとする。
けど。
不意に頭に乗ったシトロンの手。
その手は私を落ち着かせるかのように、優しく上から下へと移動させられて。
それに誘われるかのように、私は真澄に対して口を開く。
『...咲也には演劇しかないから』
いつだって咲也を前に向かせたのは大好きな演劇だけだった。
『だから...咲也の"居場所"を奪わないであげて。お願い、真澄』
真澄「...」
自分のことじゃないのに、
誰かに頼みごとをするなんて。
それに相手は私の苦手な真澄。
...滑稽だな、今の私は。
でも不思議といつもだったら感じるはずの息苦しさはない。
それは多分、
真澄「...別にアイツの居場所を奪うつもりはない」
そんな真澄の言葉と、
私の頭を撫で続けるシトロンの手のせいだ。
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琥珀(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます！まだまだ春組ですが、気長に待っていただけると嬉しいです！ (2021年5月4日 23時) (
レス) id: 2e5c416c18 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 100話目おめでとうございます！いつも更新を楽しみにしてます。これからも応援してます！ (2021年5月4日 20時) (レス) id: bf03d702ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀
| 作成日時：2021年5月4日 14時
