第100話 ページ3
〜至side〜
「っ、クソが」
画面の文字に表示される"lose"の文字。
俺は苛立ちを隠すこともせずにちっと舌打ちを溢す。
いつもだったら、ここでAが気分を紛らわせるために声を掛けてくるんだけど。
朝練に出るからって言って、いつもより早く部屋に戻って行ってしまった。
まあ早くっていっても、もう女子高生は当然寝てるであろう時間なんだけど。
「あー、うざ」
今日は何でか集中ができない。
...いや、原因は自分でも何となく分かってる。
だって不調なのはAと話をしてからだから。
Aの話をしてる時の俺は、ずっとらしくもない考えばかり浮かんでた。
家に帰らないって、家族は?
男の家を転々としてるって、そういうこと?
だから"わるい子"ってよく言われてるんだ、
―――もっとAのことを知りたい。
そんなことが頭によぎったタイミングでで、俺は逃げるように椅子に戻った。
何、知りたいって。
そういうのが面倒くさいこと、俺が一番分かってるはずなのに。
てか、相手女子高生ですけど。
俺そういう趣味なかったと思うんだけどなぁ。
「...っ朝練、行くかぁ」
気乗りしないけど、このままゲーム続けても多分意味ないし。
それに、この気持ちが本当に俺の"予想"通りなのかを確かめておきたい。
じゃなきゃ多分、もやもやして今後のゲームに支障が出る。
そんなことを思いながら、はぁっと溜息をついて俺はゲーム機の電源を落とした。
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琥珀(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます!まだまだ春組ですが、気長に待っていただけると嬉しいです! (2021年5月4日 23時) (レス) id: 2e5c416c18 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 100話目おめでとうございます!いつも更新を楽しみにしてます。これからも応援してます! (2021年5月4日 20時) (レス) id: bf03d702ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琥珀 | 作成日時:2021年5月4日 14時