13:仮眠 降谷side→風見side ページ13
多少の無理が祟ったのか、風見に「いつも以上に無理されてますよね?どうしようもない時だけご連絡いたしますので、お願いですから休まれてください。」と言われてしまった。
今は金曜18:00。警察庁からホテルは普通に行けば20分、裏道を飛ばせば15分で着く。長官のお嬢様に粗相をしないためにも、少し回復させた方がいいと思い、仮眠室で休むことを伝えた。
「……分かった。20:00から予定がある、30分で起きるつもりだが、遅くても19:00には起こしてくれ。」
風見に伝えると、少し驚いた表情をしたがすぐに安堵の表情になり、
「承知しました、ごゆっくり。仮眠室には誰も近づけないようにしておきます。」
と言われた。
本当に、よくできた部下、いや、流石僕の右腕だ、と部下の成長に嬉しくなった。
【風見side】
長官に呼ばれてからというもの、様子はおかしかった。
部署内にいる同じゼロの人間は気づいてないように思えるが、ゼロの連絡役を、ゼロの右腕をしてきた自分だからわかることなのかもしれない。
常に気を張っている彼は、組織を壊滅させたあとでも、ボスとラムは捕まえたもののジンを取り逃した罪は重い、と一人でで背負い込み少しでも捕まえるために今も奔走していた。
今まで軽く流してた見合い話を立場を利用されて流せなかったのだろう。
できる限り早く終わらせようとしているのを見受けられたし、何よりここ数日で仮眠しているのを見ていない。
今まで以上に無理しているのは明白だった。
いつ身体を壊されてもおかしくない状況だと思ったが、ご自分のことになるとどうでも良くなる性格をしているのは知っていた。また受け入れられないだろうと思ったが、ダメ元で声掛けたら素直に仮眠室に行ってくれて驚いたがすごく安心した。
人の気配が近づいただけで起きてしまうので、人が近づかないようにしておくと声をかけると、潜入中には見せなかった柔らかな表情をした。
彼が潜入している時、彼は常に気を張っていた。それでも時折、自分と二人きりで安全であるという確証があるときだけは、自分を信頼して警戒を解いてくれていたこともある。その時彼は決まって辛そうな、苦しそうな顔をしていた。
組織のことだけでどれほど犠牲になったか、現に降谷さんの幼馴染で自分の部下は亡くなっている。更に、降谷さんは潜入期間中に警察学校の同期の人たちも様々な形で亡くなっているらしい。
そんな人でも、笑う余裕が出てきていることを感じて、すごく嬉しかった。
39人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅葉楓(プロフ) - 紅音時 楼寿さん» 楽しみにしていただいてありがとうございます!応援、励みになります!これまでよりゆっくりになってしまいますが、これからも更新し続けます!頑張ります!!! (4月10日 22時) (レス) id: 68bcdf560e (このIDを非表示/違反報告)
紅音時 楼寿(プロフ) - いつも楽しみにしています!更新頑張ってください♪ (4月9日 8時) (レス) @page27 id: 4c57eb2496 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紅葉楓 | 作成日時:2024年3月5日 15時