sk ページ20
sk side.
2016年8月28日
夏休みもこの寂しさと
息苦しさが消えることはなかった
ぶらぶらと散歩をしていた時
少し背の高い人とぶつかった
謝ろうとすると
『ごめんなさいごめんなさい』
急に言われてその人を見ると
今にも泣きそうになりながら身を縮めている
「あの･･･こちらこそすみません。
大丈夫ですか？」
その言葉でこっちを見た彼は
昔の俺と重なって見えた
名前は
向井康二と言うらしい
お互いに自己紹介をして
俺は康二に
あそこまで怯えていた理由を聞いた
なんとなくだけど
俺と同じような気がしたから
kj『･･････学校でいじめられてた子がいて
その子を庇ったら
俺に回ってきたんや
でも
俺が庇った子は
俺を助けてくれんくて
ひとりぼっちになってもうた笑
あ、もちろん後悔はしてへんで！』
こんな時でも
笑おうとするんだ
すごいな
と少し引いた目で見てしまっている自分に
また嫌気がする
「最低だな
そんなやつ。
ってかいじめてくるやつが1番悪い
そいつどんなやつ？」
きっと
自分も彼を助けられたら
この辛さは消えるんじゃないかと
そう
ヒーローにでもなろうとしたのだ
俺は
だから康二から特徴と名前を聞いて
そいつを探し回った
1発殴ってやろう
俺はもう弱くない
なんでそんなにがむしゃらにやろうとしたのか
分からない
ただ、この苦しさから抜けられる気がしたから
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作者名：えりまき | 作成日時：2021年8月29日 20時
