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それが愛-小狐丸side- ページ22

「ととさま!!」

元気な声と共に門が開かれたかと思うと、勢い良く小さな身体がわたしの足元に飛びついた。

「とと様、おかえりなさーい!」

ついこの間まで赤子だったのに、さすがは刀剣だけある。

男ではなかったものの、成長は他のものと同じで早い。

これが鶴の言う驚きというやつか。

「また少し成長したか?」

足元から引き剥がして抱き上げると、かわいい愛娘はにこにこと微笑んだ。

「おばあさまと長谷部さまに、とと様が出陣している間に特訓してもらっていたの」

「ははは、そうかそうか。後で礼を言わねばならぬな」

「うん!」

いや。

それにしても。

「まだ若い主様が『おばあさま』と呼ばれるとはのう」

呟いて、隣を歩く三日月を見た。

「俺は『おじいさま』と言いたいのか?』

三日月は笑うと冗談めかして言った。

「…兄様にもまだ望みはあるでしょうに」

「ふむ。しかし俺はこれ以上の幸せなど望めんよ」

「と言いますと?」

「後はお主らの幸せを見守るだけで充分だ」

そう言い私の腕の中から娘を受け取った。

とても天下五剣のものとは思えないほどゆるい表情のままよしよしと頭を撫でる。

一方の娘はと言うと

『えへへ〜。三日月さまぁ〜」

デレデレだった。

それはもう父親である私が妬いてしまうほどに。

「これは極度の爺っ子になりそうじゃな…」

「はっはっは。よきかなよきかな」

「今日のお夕飯はかか様とおばあさまが作ったの。早くお風呂入って食べよ?とと様!」

キャッキャと楽しそうにする我が子を見て思わず口元が緩んだ。









そういえば、Aが出産した直後に夢を見たと言っていたな。

実はあの時、この子の命が危うくなりかけた。

夢の内容を聞く限りではAが今ここにいる愛しい我が子を救ったのではないだろうかと私は思っている。

なにせ、母と子は何があっても意思疎通と言うように繋がっておるからのう。

消えそうになった我が子の手を引き、救い上げることのできる、強い存在。

役立たずなど言わせるものか。

そんな事が出来るのはあいつだけじゃ。

「小狐、顔が赤いぞ」

「あ、兄様!!」

顔を赤くする私を見て面白そうに笑う三日月の腕の中で、これまたにやにやと不気味に笑う我が子。

全く。

お主には母の苦労なんてわからんだろう。

「よーし、さっさとお風呂に入りますかっと!」

「おいていっちゃいますよ〜!」

蛍丸と今剣が小さな手を引く。



世界はこんなにも愛で溢れているとはな。

それが愛→←幸せになれば



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抹茶いなり(プロフ) - 御冷ミァハさん» ありがとうございますm(_ _)m学園祭シーズンで忙しくなかなか更新できませんが、がんばります!(*´˘`*) (2016年9月28日 20時) (レス) id: 169debfbe3 (このIDを非表示/違反報告)
御冷ミァハ - 更新楽しみにしています(*´ω`*) (2016年9月28日 1時) (レス) id: a414c3ef52 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶いなり(プロフ) - 梅雨さん» あああ(゚д゚lll)本当ですね!!教えてくださりありがとうございます!更新がんばります(*´˘`*)♪ (2016年9月8日 0時) (レス) id: 2d00be186d (このIDを非表示/違反報告)
梅雨 - すごい面白いです!!でも『子狐丸』ではなくて『小狐丸』ではないでしょうか?でしゃばってすみません!!でもとっても面白いので更新頑張ってください!! (2016年9月8日 0時) (レス) id: 6b74b1d272 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瀬織あやの | 作成日時:2016年9月6日 0時

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