主のご指南 ページ2
「しかしまあ、夫婦(めおと)になってからお主らも毎日しあわせだろう」
「当たり前じゃ。朝っぱらからこうして口吸いもできるしのう」
三日月さまがそう言うと、小狐丸さまはわたしに口吸いをした。
「お食事中はいけませんよ。するなら後です」
わたしはつんと彼の鼻を小突いた。
「あー、また夫婦漫才やってるよ。朝からアツアツだねぇホント」
「ばーか、こういうのをノロケって言うんだぜ!」
「ノロケ?別に惚気けているようには見えないけど??」
「そういうことじゃねーよ乱……;」
冷やかしを入れる薬研くんと獅子王くんに、ボケをかます乱くん。
周りの刀剣たちも賑やかに食事をとっていた。
この時間は本当にしあわせだ。
その様子をにこやかに見まもる主さま。
彼女はもう立派な三十路になるが、見た目の美しさは昔とさほど変わりない。
彼女もまた、わたしを救ってくれた命の恩人なのだ。
「そういえば、A」
「はい。なんでしょう主さま」
わたしが刀剣男士たちと同じように彼女のことを主さまと呼ぶのはもちろん彼女に敬意を込めてのことであって、わたし自身は主さまと同じ人間だ。
主さまが人間であるわたしを本丸にかくまってくれると言ってくれた時から、わたしはこのお方に一生仕えると心に誓った。
そんな清き主さまがわたしに物申したこと。
「そろそろ子を成そうとは思いませんか?」
突然そんなことを言われて、一瞬わたしはたじろいだ。
小狐丸さまとの子ども?
「か、考えても見ませんでした」
夫婦になったのならば子を成すことは当然なのだろうか。
それよりも、主さまがそのようなことをおっしゃったのに驚いた。
「あなた達にその気があればの話よ。無理にとは言わないわ。でも、わたしからすればあなたたちの子を…新しい刀剣を産んでもらえるほうが、これから先のことを考えると都合がいいの」
主さまは机に箸を置いて、優しく微笑んだ。
「Aが子どもを生んだら、その子は僕たちの弟か妹になるんだよねっ!?」
えー、生もうよA!と乱がキラキラと目を輝かせた。
「小狐丸さまはどう思います?」
隣にいる小狐丸さまにも聞いてみる。
「私はお主との子どもを授かりたいのう」
どうやら彼の考えとわたしの考えは同じようだった。
「わたしも、あなたとの子どもを授かりたいです」
期待に沿うように笑って答えた。
「良かったわ」
幸せそうな主さま。
しかし、子を成すとは一体なにをすればいいのでしょうか……?
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抹茶いなり(プロフ) - 御冷ミァハさん» ありがとうございますm(_ _)m学園祭シーズンで忙しくなかなか更新できませんが、がんばります!(*´˘`*) (2016年9月28日 20時) (レス) id: 169debfbe3 (このIDを非表示/違反報告)
御冷ミァハ - 更新楽しみにしています(*´ω`*) (2016年9月28日 1時) (レス) id: a414c3ef52 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶いなり(プロフ) - 梅雨さん» あああ(゚д゚lll)本当ですね!!教えてくださりありがとうございます!更新がんばります(*´˘`*)♪ (2016年9月8日 0時) (レス) id: 2d00be186d (このIDを非表示/違反報告)
梅雨 - すごい面白いです!!でも『子狐丸』ではなくて『小狐丸』ではないでしょうか?でしゃばってすみません!!でもとっても面白いので更新頑張ってください!! (2016年9月8日 0時) (レス) id: 6b74b1d272 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瀬織あやの | 作成日時:2016年9月6日 0時