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.





一旦親戚の控え室に通されたあと





「Aーーー!」





お兄ちゃんが迎えに来た





毎年こうして特別にメンバーだけのエリアに連れて行ってくれるから嬉しい





「お兄ちゃん、お疲れ様




かっこよかったよ」





「ありがとなー、めっちゃ嬉しいわ、俺」





そう言って私の頭をわしゃわしゃ撫でる





「もう!髪の毛ぐしゃぐしゃになったじゃん」





「ごめんって」





別にいいけどね

頭撫でられるだけで嬉しいもん





「俺様の妹が来たぞー!」





なんてどこかの王様気取りで紹介してくれたお兄ちゃん、そんな声に





「Aちゃんいらっしゃーい」





なんて返してくれるメンバーのみんな




「俺、お風呂はいってくるからちょっとここで待ってて」





「わかった」





そういえば、ライブを観に行った日は

必ず一緒に家まで帰ってたなぁなんて





.





「Aちゃん来るなんて久しぶりじゃーん!」





と駆け寄ってきてくれたのはゆーとくん




「ゆーとくん、久しぶり!」





「まあ僕はAとよく会ってるからね」




なんて隣から入ってきたのは





「ちぃくん!」





「ライブ、どうだった?」





.





その後もみんなお話ししてくれて

私はお疲れ様ってみんなにお菓子を配って





そんなことしてたら





「Aおまたせー!」





お兄ちゃんが帰ってきた





「A、帰ろっか」





「うん」





「みんな、お疲れー!」





「お疲れーい





Aちゃんまた来てねー!」





私にも声をかけてくれるから
笑顔で手を振って


お兄ちゃんと並んで楽屋を出た





.





「はい、乗って」




と、助手席のドアを開けてくれるお兄ちゃん




そういうところだよ




好きがより募る





「ありがとう」




私はいつだってその気持ちを隠して
冷静を装う





きっと側から見たら仲のいい兄妹





でも、私たちを知らない人から見たら
恋人同士に見えるのかなぁ





そんなことを思いながら
運転するお兄ちゃんの横顔を盗み見る帰り道

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作者名:いなりずし | 作成日時:2019年8月15日 22時

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