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「誰が5歳児だ!」





付けたばかりのテレビをすぐに消す





笑顔振りまいちゃって、やな感じ
あの笑顔を知っているのは私だけでよかったのに





テレビの中にいるお兄ちゃんは嫌い
家にいる時となんも変わらないから嫌い





.





私が物心ついたころには既にテレビの世界の人だったお兄ちゃん




幼い頃は自慢のお兄ちゃんだったけど




いつしか恋に落ちていて




気づいたら
「私だけのお兄ちゃんなのに」って




黒い感情が渦巻くようになってたんだ





.





雑誌のインタビュー、ラジオ、テレビ、ブログ
色んな媒体で私のことを話してくれるのは嬉しい




でも、それが私の胸をより締め付ける




どれを見ても「大切な妹」




それが当たり前

でも、私は妹なんかじゃ嫌だ





お兄ちゃんが好きだから





.





気づけば時間は経っていて





「ただいまー」





「おかえり」





お兄ちゃんが帰ってきた





「あちぃーな」





「お風呂沸いてるよ、入ってきなよ」





「Aさんきゅ」





髪をわしゃわしゃ触りながらお風呂へ向かうお兄ちゃんの背中を目で追う





同棲してるみたいだなぁ

なんて考えて。ニヤけちゃうな





訳あって両親は海外に転勤中




お兄ちゃんには迷惑かけるけど、私が高校を卒業するまでの三年間はお兄ちゃんと二人暮らし





そして、この恋から抜け出すために
気持ちの整理をしたい三年間でもあるんだ

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作者名:いなりずし | 作成日時:2019年8月15日 22時

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