妖怪ウォッチを持つ少女は世界に羽ばたく【オリオンの刻印】

〜自称神と他称姫〜 ページ13

皆戸惑いつつも、ポジションに着く。ちなみに、室内グラウンドである。

「監督には何か意図がありそうね……」

「俺らにボロ勝ちさせて、いい気分でFFIを勝ち進ませる意図か？」

Aが真剣に考えていると言うのに、このちゅるちゅる頭は邪魔をしてくる。
Aは分かりやすくむすっとした顔になると、目の前の少年に人差し指を突きつけた。

「……貴方、吉良ヒロト君よね？
人呼んで『ゴッドストライカー』、ポジションはFW、所属は永世学園、『究極の個人技』が特徴だったけど雷門戦からは仲間と協力したプレーが出来ている、必殺技はジグザグドリブル、ザ・エクスプロージョン、後──」

「わーった！もう分かったから、黙れ」

「はぁ！？黙れとは何よ！私が考えてるのを邪魔したのは貴方じゃない！」

「一人ぼっちは可哀想だろ」

馬鹿にした口調で、こちらを挑発してくるヒロト。

「何ですってぇ！」

……簡単に挑発に乗るAもAだが。
まぁ、心の中でAの反応を面白がってるヒロトにも問題があるだろう。即ち、どっちもどっちである。

「感謝しろよ、このゴッドスト＿＿」

「うるさーーーい！！！」

ツインテールが怒りで(何故？)上にふわり、と浮くA。完全に重力を無視した行為である。

「……この『有星』が！」

「有星じゃなくて姫乃ですーーー！！
……貴方には口で言っても分からない様ね？『ゴッドスト』さん？」

「あぁ？もう一回言ってみろよ怪力ひm」

「ちょっ、2人とも落ち着いて！始まっちゃうってば、AはMFだろ？」

すかさず明日人が宥めに入ってくる。

「覚えときなさいよ、自称神様！」

「うるせぇ！」

そういいつつも、ヒロトは
(これで退屈はしないな)
などと思っているのであった。

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