イナズマイレブン オリオンの刻印 〜45分間の女神〜Part5

〜番外編　女神観察日記！5〜 ページ31

…そして時は流れ…

1年生の学習なので、2年生の数学よりは遥かにマシだったが、それでも19回程の間違いを犯した子文。

もう、後半はAが授業を進めていた。

色々ありすぎたが、何とか勉強の時間は終わりを告げ、次は特訓。やっとサッカー日本代表感が出てきた。

「勉強にあんなに神経使うなんて…」

Aが本日2回目の溜め息をつく。

「姫沢ちゃん、何溜め息付いてるんですか」

趙金雲の呑気な一言に、Aの喉元ギリギリまで
「この中国カンフー男がぁ！こっちの苦労も知らない癖に呑気な事言わないでよー！」
と言う台詞が出かけたが、何とか怒りと台詞を同時に飲み込む事に成功。
Aは、日本代表入りしてから、毎日が忍耐力の訓練としか思えなかった。

「…で、今日の特訓は何なんですか？次の決勝戦の相手、中国代表に備えた物ですよね？」

そうじゃなくては困るのはこちらだ。

「もう決勝戦かー…」

「色々あったな、オリオンとか、オリオンとか、オリオンとか！」

「オリオンしか無かった訳無いでしょ。世界の強豪チームとの戦いとか、新しい技とか、今までFFで戦ってたライバル達と一緒に世界の大舞台に立つ興奮とか、無敵ヶ原富士丸とか、光君の人格統合までの『イナズマジャパン最大の危機』とかとか…」

「色々ありすぎだろ」

これ以上、中のグラウンドに集まった意味を「思い出を振り返る為」に変えない様に、Aが話題を戻す。

「中国代表は『足球(サッカー)雑技団』と呼ばれる程の、アクロバティックでトリッキーな、予測しにくいプレーが特徴よ。色々な動きを予測して、それに対応できる様にしないと」

「その通り！なので、今日は不規則な動きに慣れてもらいまーす」

「……えぇっ？」

イナズマジャパンメンバーの頭上に、大きな？が浮かぶ。

「テッテレーン！」

趙金雲がバッ、と何やら大きな物にかけられていた赤い布を取る。
するとその布の奥には。

「何コレ…」

Aの口から、疑問の声が溢れでる。
例えるならば、バッティングセンターの球を打ち出す機械と言った所だろうか。
Aもその結論に至る。

「えーっと、これって球打ち出す、アレですよね？私達は野球じゃなくてサッカー強くなりたいんですけど…」

Aが、見事にその場の選手達の考えを代弁する。

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