パンドラの匣

５　　組合襲来 ページ6

扉の前で耳を澄ます箱庭

先程組合がヘリで来たのだ

そう、ヘリで

箱庭が思うことはただ一つ

箱庭(急展開過ぎて付いていけない・・・)

この後事件が起きる

宮沢が行方不明になる

翌日にはビルが消えた

そして単独行動を避けるように言われた

そんな箱庭がどこにいるか

察しのいい方は気づいただろう

単独行動中だ

と言っても何があっても平気なように常時「人間失格」を発動中だ

先刻買って来たばかりのガラスでできたチェスの駒を愛用のハンカチで磨いている

近くにあったカフェに入り、コーヒーとケーキを頼んだ

それらを堪能しながら磨き終えた駒を上に掲げる

覗き込めば太陽光が乱反射して眩しい

すると

「相席いいですか？」

その声に箱庭が驚く そして、

箱庭「違うよ！仕事は終わってるよ！さぼりじゃないよ！」

必死に言葉を並べる

その相手は―――

条野「えぇ、分かっています」

箱庭「よかったー・・・」

流れるように店員にコーヒーを頼むと駒を一つ手に取り指先で弄ぶ

条野「また買ったんですか？」

箱庭「ガラスだから！落としたら真面目に割れるから！！」

コーヒーが届くと条野の雰囲気が変わる

それに合わせ、箱庭も切り替える

条野「組合と潜入の報告をどうぞ」

箱庭「組合は結構やばそうだね まぁどうにかなるけど

潜入は順調だよ」

条野「それはよかったです」

お互いコーヒーカップを持ちながら微笑む


　

　

　
条野「ケーキ、一口貰いますね」

箱庭「あ、ちょ・・・いいって言ってない・・・」

条野「一口ぐらいいいじゃないですか」

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