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九話 ページ10

私がそう言うと「地味だな」と言いながら
少し拗ねたような顔をする

天元様はどんな顔しても顔がいいな…。

『ただ、一つお願いがあります』

「お?なんだ、言ってみろ!」

私より二回りぐらい大きい手を握る

『こうやって任務が無い日や予定が入っていない日は
雛鶴さん、まきをさん、須磨さん、天元様と一緒に
ゆっくりと過ごしたいです。』

「そんなことでいいのか?」

『はい…。』

鬼殺隊はいつも死と隣り合わせだ

命を懸けて鬼と戦う

だから、いつ命を落とすかわからない

あの時は下弦の肆だからなんとか倒し私は柱になれた

もし…もしもあの時の鬼が上弦だったら
私は今ここにいないだろう

しかし、こうやって死が隣り合わせなのは鬼殺隊だけではない

『私は、両親、兄、妹を失いました。
その時、もっと…一緒に過ごしていればと後悔しました。
もう…もう二度と、そんな悲しい思いをしたくないのです。』

「A…。」

天元様は私の腕を引き寄せて抱く

「大丈夫だ、A。
今度は絶対、お前を1人にしない。」

『天元様…。』

「だから、泣くな。」

気づかない間に私の頬には涙が伝っていた

昔から私は涙腺が緩いなぁ

家族の事を思い出すたびにすぐ涙が溢れだす

天元様に引き取られたすぐ、あの惨劇をいつも
夢に見て眠ることができなかった

そんな時はいつも天元様が傍にいてくれた

『絶対、約束ですよ?』

「あぁ、約束だ…。
お前を1人にさせない。
だから、お前を俺を残して逝くなよ?」

『勿論です…!』

お互い、わかっている

この約束が守られることは無いのだろう

だけどこの約束は守ってもらえる

そう思わないと辛さのあまり、挫けてしまうから

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すー(プロフ) - 面白いです!続きが更新されるの待ってます。頑張ってください。 (2020年10月23日 18時) (レス) id: 91e5b79796 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - はじめまして最初から読んでいます。私は映画を公開初日に見に行きました。もう、一言で言い表せないぐらい感動して泣いちゃいました。これはもう2、3回見るべきです。小説のほうも楽しみに待っています。 (2020年10月21日 0時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Rei | 作成日時:2020年5月31日 21時

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