十八話 ページ20
不死川side
俺は腹が立っていた
柱合会議の前、鬼を連れた隊士のことだ
「クソが…。」
鬼を殺せなかったことに対しても腹が立つが
一番はあのガキが吐いた言葉
『善良な鬼と悪い鬼の区別もつかないなら
柱なんてやめてしまえ!!』
そんなことを考えていると外から声が聞こえた
『不死川さーん、いますか?』
天音か…
ったく、何の用だよ…
そう思い玄関に行くと天音は俺の腕を手当するといい
救急箱を手に持っていた
そんなのいらねぇと思い断る
『もし傷口から菌が入り化膿したらどうします?
少しの間だとしても任務を休むことになりますよ。』
…しょうがねぇ
天音を家にあげ縁側で手当を受けることにした
・
・
『はい、これで終わりです。
できるだけ包帯は変えてくださいね。』
「おう…。」
天音が立ち上がり帰ろうとしたその時
「お前はどう思った。」
俺は思わず天音に聞いていた
『どう思ったとは?』
「あのガキが言っていた『善良な鬼と悪い鬼』
それについてお前はどう思ったか聞かせろ。」
『……。』
天音はもう一度縁側に腰かけた
『今まで、鬼は悪…それ以外ありえないと思っていました。
ただ、それは禰豆子に会うまでです。
あの子は私を襲わず、抱き着いてきて頭を撫でると
気持ちよさそうに目を細め…妹を髣髴とさせました。』
そう言った天音はとても柔らかい笑みを浮かべていた
『この子は人を襲うことは無い、善良な鬼だ…と思いました。
人を襲う鬼は悪、襲わない鬼は善良…。
もし、そうなら…。』
天音は手に力を込め、顔を顰めながら言った
『何故、私の兄は…悪だったんだ…。』
…兄が、悪?
『禰豆子と私の兄は…一体何が違ったんだ…。
同じ鬼でも、禰豆子は善良なのに…。
なんで私のお兄ちゃんは悪だったの…!?』
砕けた口調で目からは大粒の涙を零していた
『お兄ちゃんは優しい人だったのに…!
いつも私や妹と遊んでくれたし辛いことがあったら
慰めてくれてた…なのに何で…!!』
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すー(プロフ) - 面白いです!続きが更新されるの待ってます。頑張ってください。 (2020年10月23日 18時) (レス) id: 91e5b79796 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - はじめまして最初から読んでいます。私は映画を公開初日に見に行きました。もう、一言で言い表せないぐらい感動して泣いちゃいました。これはもう2、3回見るべきです。小説のほうも楽しみに待っています。 (2020年10月21日 0時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Rei | 作成日時:2020年5月31日 21時