【A3!】天使≒幼馴染【摂津万里】 (ページ34)

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羽根33枚目ページ34

貴女side

フェイが転生術を使い終わると

指先から身体が透け始めている

貴女「な、なんで…。」

フェイ「転生術は禁忌の中でも1番の禁忌とされている。
自分の身を天に捧げることでAを人間に転生させたんだ」

貴女「なんで…なんで言ってくれなかったの!?」

眉を下げて困ったように笑うフェイ

フェイ「言ったらAは断っただろ?」

当たり前だ

私が天使になったばかりの時からそばにいた

いつも楽しませてくれた親友だ

そんな大切な親友を犠牲にしてまで人間になりたくない

フェイ「それに、早かれ遅かれ俺は消えていたさ」

貴女「ど、どういうこと…?」

フェイ「そろそろ新しい7大天使が生まれてくる。
そうなると自然と前の7大天使は光になっていくんだ
そのまま消えるなら、Aの願いを叶えたかった」

どんどん透けていく身体

もう胸から下は完全に消えている

フェイ「泣かないでよ。人間になって
愛する人と結ばれるのに…」

透けている手で私の涙を拭ってくれる

貴女「だって…」

フェイ「ほら、笑って?
俺はAの笑顔が好きなんだ」

そう言われて、私は涙を拭き

満面の笑みを見せた

貴女「フェイ…今までありがとう…!
大好きだよ…!」

フェイ「俺も、Aのそばにいれてよかった。
今度は、しっかり幸せになってね」

最期にそう言い残し

フェイは光になって消えていった

貴女「フェ…イ」

涙が溢れだす

拭っても止まらない

『俺はフェイ。そして、君は天使だ』

『人間界に下りればいいんじゃね?』

『安心しろよ。あれ教えたのは俺だし
上級天使には言わないでやるよ』

『俺は…Aには人形みたいに
なってほしくないからな…』

今までの思い出が頭の中に流れる

いつも隣にいてくれた大切な親友

私は、その親友を犠牲にして人間になった

万里「A…。」

声をかけらせそっちを向く

万里の手には1枚の真っ白な羽根

貴女「その羽根って…。」

万里「お前の親友が消えた時、床に1枚だけ残ってたんだよ」

貴女「フェイの…羽根」

私はさっきのフェイの言葉を思い出した

『俺はAの笑顔が好きなんだ』

･･･ずっと泣いてたらフェイに怒られるよね

涙を拭い、羽根を優しく手で包み込んだ

貴女「フェイ･･･ありがとう」

『どういたしまして』

頭の中で、フェイの声が聞こえた気がした