【A3!】天使≒幼馴染【摂津万里】 (ページ21)

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羽根20枚目ページ21

貴女side

私は泣きながら歩いていた

「ただの幼馴染」

万里はなんとも思ってなかったんだ

幼馴染だから一緒にいただけなんだ

貴女「万里の恋愛対象には
入れないんだ…。」

それなら幼馴染じゃなきゃよかったのに

でも、このまま気まずいのは嫌だな…

ちゃんと謝ろう

家から遠いところまで来てしまった

歩いてきた道を戻っていくと

私のすぐ横でクラクションが鳴る

貴女「え…」

大型トラックが迫ってくる

頭の中に今まで過ごしてきた映像が流れる

これが、死ぬ前に見るっていう走馬燈なのかな?

せめて最期に、万里に『好き』って伝えたかったなぁ…

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目を開けると、真っ白い場所にいた

そこには沢山の人が並んでいた

ここは何？どこ？

「君は今来たばかりの子だね、
ここに並んでね!」

白髪の人に話しかけられた

年齢は私より少し上に見える

でも、私とは決定的な違いがある

それは

貴女「背中に…羽根?」

「ここは天界だからね!」

て、天界…?

貴女「天国ってこと…?」

「そんな感じ!君の名前は…」

男の人は手に持っている書類に目を通す

「珍しい苗字だね！天使って書いて『アマツカ』
って読むのか!」

たしかによく間違えられてた

「数分前に信号無視した
トラックに撥ねられて死亡か…。
酷いな…。」

貴女「…。」

やっぱり私、死んだんだ

貴女「私は、どうなるの」

「君は今から天使になる」

貴女「天使に…?」

「人間はね、死ぬと天使になるんだ。
勿論、天国に行ける人だけね」

貴女「ここに並んでるのはなんで?」

「生前の記憶を消すためさ」

貴女「え……」

生前の記憶を消すってことは

家族の事

学校の友達

そして…

万里の事も忘れちゃうの…?

「辛いかもしれないけど、しょうがないんだ…。」

その人は少し辛そうな顔をした

万里の事は忘れたくない

だけど…

死んだ私は万里とは付き合えない

私の事は忘れて他の人と結ばれるんだよね

それなら、忘れたほうが楽になれるのかも…

貴女「大丈夫、忘れたいことも…あるし」

「…そっか」

そろそろ私の番だ

眩い光の前に立つ

少しずつ光が強くなっていく

あぁ…忘れていくのか

辛かったこと

悲しかったこと

楽しかったこと

嬉しかったこと

貴女「…。」

ふと、万里に名前を呼ばれたときのことを思い出した

貴女「…ハハッ」

さっきまでは忘れたいって思ってたのに

不思議だな

貴女「やっぱり万里のことは…」

『忘れたくないや』