満月〔フェイ・ルーン〕 ページ6
「ねー、フェイ。」
「ん？どうしたのA。」
「ほんとに行っちゃうんだよね、フェイ。」
「…うん。」
そっか、と悲しげに微笑む少女。フェイはそんな彼女の横顔を見ることしかできなかった。自分は独りぼっちだ、と。そんな思いを募らせていたかつての自分が思い浮かぶ。自分を独りにした相手を憎み、散々なことをやってきたというのに。
(僕だってあの人たちと何も変わらないじゃないか。)
拳を強く握りしめ、涙を堪える。ここで泣くのは僕じゃない、と自分に言い聞かせながら。
「でも、ワンダバに頼めばいつだってこっちに来ることができるよ！」
顔をうつむかせてしまったAに向かって、できるだけ明るい口調で話す。Aはゆっくりと顔を上げて、フェイを見つめた。
「つれてって。」
「…え？」
先程とはまったく違う、強い意志をもった目で自分を見つめるAに、動揺するフェイ。
かと思えば、Aは目いっぱいに涙を溜めてフェイの腰に抱きついた。
「つれてって…！フェイ、いなくならないで…！！！
私を、、独りにしないでぇ！！」
わんわんと子供のように泣くA。フェイ、フェイと何回も自分の名前を呼ぶ。まだフェイが隣にいることを確認するかのように。
そんな彼女の頭にキスを落として、彼は空を見上げた。
やけに綺麗な満月が、少しだけ憎らしく感じた夜だった。
(彼は明日、未来にかえる。)
君という波に溺れて〔湾田七雄人〕→←有名人よりも〔狩屋マサキ〕
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天然の砂糖水。(プロフ) - はじめまして！円堂夫婦の作品をみてにやけました！素敵なお話ばかりで文才を感じます。。。是非、革命後の大人組の話が見たいのですが大丈夫でしょうか？！ (2018年1月29日 21時) (
レス) id: ee2dc0c1e8 (このIDを非表示/違反報告)
斉藤 - 十六夜月夜さん» いえいえ！！気に入ってもらえて本当に良かったです！！ (2018年1月25日 17時) (レス) id: 21e1cc2502 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - ありがとうございます！ニヤニヤしながら見てましたww (2018年1月25日 16時) (レス) id: 480d98284b (このIDを非表示/違反報告)
斉藤 - 十六夜月夜さん» リクエストありがとうございました！遅れてしまって申し訳ないです(汗)素敵なお題をありがとうございました！！ (2018年1月25日 12時) (レス) id: 21e1cc2502 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - 浪川君の姉に湾田君が告白するという話をお願いします(夢主ちゃんツンデレ)長文すいません (2018年1月16日 18時) (レス) id: 480d98284b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：斉藤 | 作成日時：2018年1月8日 2時
