ひと目見て〔霧野蘭丸〕 ページ1
霧野蘭丸は恋をしたことがなかった。というのも、蘭丸は男離れした顔の持ち主であり、その美少女さゆえに彼は女子から�猴�達�瓩箸いΠ靴い靴�受けたことがないからである。
中学校に入ったら恋をするかも、と期待を抱いていた中学1年生の蘭丸。しかしそんな蘭丸の期待は虚しく、気付いたら彼は女性に対する胸の高鳴りを知ることもなく中学2年生になってしまっていた。
「なあ神童、神童は恋したことあるか？」
ある冬の日。蘭丸は隣を歩く幼馴染の神童拓人にそんなことを聞いた。
「…え、ん、な、は、はぁ？？い、いきなり何を言ってるんだ。」
いきなりの恋愛話に動揺する拓人。顔を赤くして慌てる拓人を見てウブだな、と蘭丸は笑う。
「うるさいな。
恋くらいしたことあるさ…って言いたいところだけど、実はしたことないんだ。」
苦笑いで答える拓人。ウェーブがかかった灰色の髪の毛が少し揺れる。苦笑いでもかっこいいなんてどんな特典だよ、と心の中で少しだけ悪態を吐く。
自分はきっとこれからも好きな人ができないままでいるのだろうか。まあそれもそれでサッカーに打ち込めるから悪いことではないけれど。
別に好きなタイプがないわけじゃない。それなりに恋愛話には興味あるし、可愛いと思う女子だっている。サッカー部で合宿をするときは必ずと言っていいほどそういう話で盛り上がったりもする。
(…でもなぁ、)
やはり自分の環境が悪かったのだろうか、と幼少期を思い返す。小さいころは女子に対して恋心を抱くなんて考えたこともなかったのだ。
「うおっ、」
「あっ、すみません！」
ぼーっと考えごとをしながら歩いている蘭丸の腕に、誰かの肩があたった、声からして女子だろうか。自分も謝ろうと蘭丸も振り返る。
「こっちこそごめ…」
出かけていた「ん」を喉に詰まらせる。体が金縛りにあったみたいに動かない、くせに心臓はこれでもかってくらい動いている。
「あ、あの…？」
「やっ、その、ごめん、怪我はないか？」
「はい！全然大丈夫です！！」
人懐っこい笑顔を向ける少女。経験したことのない感情に支配された蘭丸は必死に拳を握りしめる。
なるほど、そうか、これが
「霧野？大丈夫か？」
少女が去っていったあとも固まったままの蘭丸の顔を、拓人が覗き込む。
「ああ、大丈夫だ。
なあ、神童、俺、
好きな人できた。」
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天然の砂糖水。(プロフ) - はじめまして！円堂夫婦の作品をみてにやけました！素敵なお話ばかりで文才を感じます。。。是非、革命後の大人組の話が見たいのですが大丈夫でしょうか？！ (2018年1月29日 21時) (
レス) id: ee2dc0c1e8 (このIDを非表示/違反報告)
斉藤 - 十六夜月夜さん» いえいえ！！気に入ってもらえて本当に良かったです！！ (2018年1月25日 17時) (レス) id: 21e1cc2502 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - ありがとうございます！ニヤニヤしながら見てましたww (2018年1月25日 16時) (レス) id: 480d98284b (このIDを非表示/違反報告)
斉藤 - 十六夜月夜さん» リクエストありがとうございました！遅れてしまって申し訳ないです(汗)素敵なお題をありがとうございました！！ (2018年1月25日 12時) (レス) id: 21e1cc2502 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜月夜(プロフ) - 浪川君の姉に湾田君が告白するという話をお願いします(夢主ちゃんツンデレ)長文すいません (2018年1月16日 18時) (レス) id: 480d98284b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：斉藤 | 作成日時：2018年1月8日 2時
